
新時模型のメタルスラッグプラモ連続レビュー、第六弾はモーデン軍の4tトラック、ランド・シークです。ゲーム内での扱いは割と雑魚敵というか、そういえばいたなこんなの……という感じではあるのですが、ところがどっこい、プラモデルとしては一番見所の多いキットかもしれません。



箱の大きさはいつもと同じ、もう慣れっこのデザインと大きさです。蓋を開けてみると、大きな部品としてはボンネット~運転席周りのパーツと荷台のパーツ、そしてそれらがのっかるシャーシの部品が入っております。


さらに幌や前後のフェンダーと座席が一体になった車内の部品など、今までのメタスラプラモシリーズではあんまり見かけなかったタイプの部品が。今までは戦車やら自走砲やらといったヘビーな装甲車両ばっかりだったんですが、そもそもこのランド・シークは非装甲のハーフトラック。その分見慣れない感じの部品がけっこう入っているということになります。しかしちゃんと布っぽいシワも入った幌の部分(成型色が違うのにも注目)とか、シャーシの裏面の意外なほど細かいモールドなんかを見ると、「あれ? なんか今までよりいわゆるスケールモデルっぽい作りじゃない?」という気持ちに。


構造というか、組み立てプロセスとしてはいつものメタスラプラモなので、ややこしいハーフトラックの足まわりも一発勝負でズドンと形になります。これ本当に楽でいいな~! 1/48以下くらいの装甲車両の足まわり、もう全部この構造にしてほしい。そしてこのランド・シークの荷台は木製という設定(ゲーム内のドット絵でもちゃんと質感が違う)なので、部品には木目のモールドががっちり入っております。「スケールモデル」じゃん!

運転席まわりもなんだか生真面目なムード。窓枠にくっつく形で取り付ける幌の下向きに重力がかかってる感じや、バックミラーやドアノブのモールドやボンネット開閉用のファスナーなんかのちゃんとした彫刻からは、これまでの装甲車両メインのラインナップとはまた違った嬉しみが漂っております。ていうかこの車両、めちゃくちゃドイツ軍のハーフトラックで見たことある形をしてるのに、よく見ると実際の車両のどれにも似てなくてすごいなあ。当時のSNKのデザイナーには、よっぽどソフトスキンが好きな人がいたんでしょうねえ……。


というわけで、普通のクルマっぽい前半・木製の荷台・履帯を履いた後半という複雑な要素が集まった形状にも関わらず、爆速で完成! オマケとしてバズーカを持ったモーデン兵が付いてます。やっぱ質感が違う部品がごちゃごちゃくっついてて荷台の中も見える、みたいな立体の方は模型としての見栄えもいいですね! そして相変わらず高速で完成する新時模型のパーツ分割のセンスも完璧だし、ドット絵にもそっくり。なにより完成後にメタルスラッグと並べると、明らかに弱そうな雰囲気なのがたまりません。てなわけで、連続レビューも残りあと1回! 次回は各キットのボーナスパーツを集めて作る、あの超兵器が登場します!