写真に撮れない面白さが潜む タミヤ 1/35ドイツ歩兵セット(大戦中期)

プラモデルの最大の魅力の1つに「作った人にしかわからないこと」というのがあります。というか、大抵の趣味はそんな感じで、実際に手にしてみたりすることで得られる発見があるのがほとんどではないでしょうか。

 タミヤの1/35 ドイツ歩兵セット(大戦中期)はこれを書いている時点で最新の兵士セットで、今までのものと違う点がいくつかありますが、そのうちの1つは「キットの中の5人の一体一体が単独で様になる」というものだと思います。戦車や車両に付随する形での、何かに従事する人、というわけでなく単独で成立する良さを追求している感じがします。

 そしてもう1点が今回のお話です。このプラモデルは「途中がめちゃくちゃに面白い製品」なのです。実際私自身、出来上がった写真をいくら撮ってもこの面白さは伝わらず、まるで風呂敷に包まれてしまうような感覚に襲われました。念のためと思い途中の写真も撮ってありますが、これはこれでやっぱり面白さが伝わりきっているかというとまだまだな気がします。

 では、ということで組み立てる前の写真を自分で振り返って見てもやっぱり伝わりません。もちろん今までにないパーツ分割は兵士のプラモデルを一度でも作ったことがあると、見ただけでワクワクするかと思いますが。

 ちょうどこの文章を書いているときに少し思い出したことがあります。折り紙です。誰かが折ってくれた折り紙をバラして、戻して……なんてことをするとこんな複雑な形が一枚の紙から出来上がるのかと感心することがあるかと思います。少しバラして、元に戻す。折癖がついた紙は手先の記憶を元に半自動といっても良いくらいに簡単に形になります。この感覚が一番近い!と私は思いました。

 タミヤの素晴らしいパーツ精度と興味深い分割は複雑な折り紙を復元するようなものだと私は感じましたが、きっと作る人それぞれでいろいろな感想があると思います。

 1/35 ドイツ歩兵セット(大戦中期)の面白さは素晴らしく立体的な姿もそうですが、まさに作っている過程、視覚だけではなく指先の感覚が頭にピーンッと伝わる感じにこそ隠れているような気がしますので是非とも作ってみてもらえればと思います。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。