おかずにもなるし、主食にする人ももちろんいる。実物もみんなのそばにいたりする。そんなひらがなの艦船模型のおはなしです。


艦船模型というと、国内ではだいたい帝国海軍の艦船、そしてそれと戦った米国の艦船、さらにイギリスなど一部の艦船といった感じで、基本的に過去の艦船が軸に展開されています。

そんななかでひとつのジャンルとしてしっかり存在しているのが海上自衛隊の護衛艦の模型です。護衛艦はみんな名前がひらがなです。帝国海軍の艦船と同じ名前がたくさんいますが、頭に”ひらがなの”とつければすべて護衛艦です。

護衛艦の何がいいって、何気なく行った先に居たりして、見ようと思えば実物がけっこう見れちゃうことなんです。これはポケモンGOのイベントで訪れた横須賀。うしろにでっかい護衛艦「いずも」がいるじゃありませんか! 基地はちょっと近づきづらい場所になりがちなので、双眼鏡を持っていくのがおすすめですよ。

護衛艦「いずも」。甲板を備えた、ヘリがたくさん着艦できるでっかい護衛艦ですね。護衛艦って研ぎ澄まされた線型で上部構造物も四角いので、とてもシャープに見えますよね。

今回紹介したいのは「たかなみ」です。たかなみは2003年就役。護衛艦のプラモデルの何がいいって、その艦船ができないとキットが発売されない、つまりいま現役の艦船はだいたい新しいキットで作りやすいってことなんですよ……!

キットのランナーはこれだけです。しかもたかなみは先代のむらさめの発展型で、パーツを共有しています。だから実際に使うパーツはもっと少ないので、超シンプルです。



説明書がこのペラ1枚のオモテウラで済んでしまう。最近精密化著しい帝国海軍艦船を見た後だと、このシンプルさに驚かされますね。

ウォークウェイの白線は水転写デカールで再現しています。後部のヘリ甲板用のマークが新しい田マークになっています。このへんの現役ならではのアップデートもたまにありますね。

なんでたかなみを紹介したかったかといえば、このトラスマストですよ。実物はめちゃくちゃ入り組んだトラスですけど、このキットならメインフレームがシンプルにズバッと3パーツで組めてしまう。

パーツを貼り合わせて、細かいパーツを取り付けるだけでこんなにすごいマストが現出するんです。精密感はもちろん立体感もたまらんですよね。

そして艦橋やら格納庫やら煙突やらも、すごくシンプルなパーツ数でバチッとカタチになります。側面にはモールドたっぷりで、スミ入れするだけで結構いい感じに目立つんです。

たかなみ型の面白いところ。むらさめ型の発展型ということが、このミサイル垂直発射装置の上からさらにミサイル発射装置のパーツをかぶせるというところに表れています。でかくなったら強くなった! そんな感じですね。

ということで3時間で組めてしまうのが護衛艦なわけです。しかもですよ、護衛艦はグレー一色で塗って、煙突だけ黒くしてやればもうそれで塗ったできたって言えちゃうんですよね。

いやこんなに身近で、組むのも簡単で、けっこう精緻で、それこそ塗るのだって簡単です。艦船模型をするなら、護衛艦を触らないのはもったいない! ってコッソリ思っているんですよね。しかも、資料も探そうと思えばいくらでもあり、きちんと作り込む余地もたくさんあります。たかなみはまさにそんな深い護衛艦模型の入り口に最適です。ぜひ組んでください!