「無塗装」という鍵がレジンキットの扉を開ける

 塗装をしないという選択肢を積極的にとった場合に思わぬ扉が開くことがある。レジンキットの扉だ。塗装をするなら塗るだけではなく、かなり上手く塗らないとどうにも完成した感が無さそうなレジンキットも、そもそも塗らないという選択肢を取ると容易にその世界を覗くことができた。 

 私の場合は1/35スケール周辺の兵士の生き生きとした姿と程よい大きさが好きで、より良いものを探していたらレジンキットに出会ったわけだが、どうにもこのポケットサイズの素っ気ないパッケージに初心者向けではない何かを感じ、ドキドキしながら購入した。お店ではショーケースに入っていたのでそれを「見せてください」というだけで緊張した。  

 箱の中には兵士が1人。必要な道具や組み立ての説明が書かれたものはなく、見たものをそのまま作るというスタンス。一応、レジンキットの作り方は調べていたのでマジックリンで離型剤を取ってみたものの、色を塗らないので必要ないかも知れない。

 完成まではニッパーでパーツを切り出しカッターでゲートを整える。いつもと違うサクサクとした感触に、少し失敗しそうな怖さを覚えながらパーティングラインもなんとなくカッターで撫でておく。肝心の接着はというとハイグレードセメダインEXでシンプルに貼り付けた。特に何も問題がないのでこれはこれでいいと思う。

 出来上がると面白いほどに細かく、躍動感があり、ポーズも男前に決まっている。そして何より、いくら調べても出てこない無塗装のレジンキットの兵士が目の前に現れる。これが新鮮だ。レジンキットの特性なのかシワなどがとても柔らかに見え、プラモデルとは違う質感に驚かされる。その割には「このズボンの生地は重みがありそうだな」と思わせる造形に原型を作る側もレジンの特性を熟知して雰囲気作りに徹していることも伺える。

 室内でとびきりの存在感を放つレジンキットの兵士。まずは切って貼るだけ、いや。ずっと切って貼るだけでもいいのかもしれないと私は思う。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。