塗装&接着ができて、長〜い帯をグルンと巻けば完成だったベルト履帯がタミヤMMからも少しずつ姿を消しています。現在のスタンダードになりつつあるのが「プラ製の部分分割履帯」。上の写真のように、プラ製で長い帯状の履帯と、履帯のカーブを作るために一枚一枚細かく分割された履板を接着していくものです。プラ製なのでシャキッとしたディテールが出て足回りが締まりますが、後ハメ加工のようなことをしないと下の写真のようになってしまいます。
様々な戦車模型を作っている人は、こうなることを先に予見してしまい手が止まる人が多いようです。僕も以前は後ハメ加工をしていたのですが、ラッカー塗料からタミヤアクリル塗料にシフトしてから全部貼ってからでも楽に塗ることができるようになりました。この方法、ラッカー塗料をメインにしている人でも、履帯だけはタミヤアクリルで塗ってみるということも可能です。使用するのは「筆」、「タミヤアクリルのダークアイアン」、「アクリル溶剤」の3つだけです。最近作った戦車模型の履帯は全て筆塗りで仕上げています。
アクリル塗料の特性である、「完全乾燥後は上からアクリル塗料を塗り重ねても下地が溶けにくい」という性質をフルに活かします。もちろん上からラッカー塗料を塗ったらアクリル塗料が瞬獄殺されるんで絶対ダメですよ。そして細かいディテールが入っている履帯を「塗る」のではなく「染める」のです。
とにかくポイントは、一度全体をさっと塗ってしまい、完全に乾いたらもう一度同じ容量で染めるように塗ること。完全に乾いている1層目のダークアイアンはそう簡単には溶けません。これで履帯のディティールを潰すことなくお手軽に塗り上げることができます。
染めるように、履帯全体を洗うような感じで塗っていけばご覧の通り全て履帯を接着してからでも大丈夫!塗料の特性と筆塗りのアクションのしやすさを合わせればもうプラ製部分分割履帯も怖くない!どんどん最近のタミヤMMの履帯を塗れますね!またプラ製の部分分割履帯よりも、遥かに組み立てやすいベルト履帯も大好きなので、またこちらも一緒に出て欲しいと強く願いながら締めとしたいと思います。アディオス!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)