「金のマッキーで塗る金閣寺のプラモデル」が教えてくれたこと。

 本当は金のマッキーのことなんかすっぱり忘れていて、そもそも箱開けたらそれなりに金色のプラモデルが入ってるもんだと思ってたんですよ。あ、童友社の金閣寺の話です。

 で、パーツがアイボリーと茶色なもんですから、これは実物が金色のところはなんとかして金で塗らないとなんだか雰囲気が出ない。金メッキバージョンもあるらしいんですけど、金閣はよく見ると金じゃないところも多数ありますのでなんならメッキ/非メッキのふたつを買ってきてミックスするといいかもしれない……ということは今思いついた与太話なので誰かやってみてください。

▲それにしてもすごく金になって嬉しい

 この世に金色の物体というのは結構あるような気もしますが、プラモとなるとモビルスーツのごく一部か金閣寺くらいのもんなんではないでしょうか。金をベターッとたくさん塗ることができる、というのがすでにボーナスみたいなもん。なにがボーナスって、マッキーペイントマーカーの金というのは塗っているだけで「ああ〜〜〜〜楽しい〜〜〜〜〜〜」って声を出してしまうほど楽しいのです。

 どっこい、金閣の壁に塗ってると以前覚えたほどの快感がありません。いや、楽しいんですが「うほおおおおお」というアドレナリンがドバドバ出る感じがない。なぜか。

▲屋根の裏を塗ったら完全に理解しました

 人間、メタリックカラーを美しいと思うのは「陰影がすごくバキバキに出るから」ということなのではないか。そう、まっ平らな壁を塗っているとただのペンキ塗りバイトみたいな気持ちなんですが、凹凸があって曲面になっていたりするとこれが途端に「俺は錬金術師なのか!?」と錯覚するほど魔法じみた輝きに気づくことができるのです。つまり、金閣寺のプラモで金に塗っていちばん楽しいのは……。

▲フェニックス……
▲エターナル……

 そう、不死の輝き。屋根の頂にちょこんと据え付けられた鳳凰の像こそ、金マッキーを塗る快感を一点に集めたロシュ限界の向こう側。とにかくなんか粒子が見えない。メッキしたみたい。

 ワタシもよく忘れがちなのですが、金とか銀は色というよりも、質感であり、反射にこそ本体が潜んでいます。飛行機を銀色で塗ると機体のカーブにハイライトがグワーッと走り、周囲の青や緑を反映してヌラヌラとそのフォルムを描き出すように、やはり金マッキーで塗ることによって引き立つのは曲面で構成されたモチーフなのでした。

 さて、この金閣はマッキーで塗りたいのがゴールじゃなくて、その先にまだやることがあるのでもうちょっとだけ続くのじゃ……。

<em><a href="/author/kalapattar/">からぱた<br></a></em><a rel="noreferrer noopener" href="https://twitter.com/kalapattar" target="_blank">@kalapattar</a>
からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。