最新記事やプラモデル情報を毎日お届け!
follow on Xをフォロー!

「NETFLIXで観たザク」にはどんな挑戦があったのか!?/『復讐のレクイエム』主役、HG ザクII F型 ソラリ機 レビュー

 新たな機動戦士ガンダムシリーズとして日米共同制作となったNETFLIXオリジナルコンテンツ『復讐のレクイエム』は「エログロ皆無で小1の息子に観せてもまったく問題ない」という点を評価したい。映像倫理に一線を引きつつも、ガンダム作品のケレン味の抽出のし方に独自の良さがあったし、ガンダムを知らない層への呼び水としては素晴らしいバランス感だったかと。息子も夢中になって鑑賞していたし。

 全6話を観終わったら「うおー! ジオニックフロント(2001年)をまたやりてー!」という予想外のリビドーが湧き上がってきたことに我ながら驚いた。今回の映像作品は過去の家庭用ゲームの文脈を取り入れている印象が強く、鑑賞しながらPS2やセガサターンのタイトルがいくつも浮かんできた。

BANDAI
¥6,489 (2026/05/27 11:09時点 | Amazon調べ)
BANDAI
¥4,256 (2026/05/27 11:09時点 | Amazon調べ)

 メディア的な側面からガンダムシリーズの展開を語るならば、’90年代のOVAという太く重要な系譜があり、その世界観を網羅したゲームが’00年代より何タイトルか発売され、その要素を取り込んで現代的な解像度を取り入れたのが本作……という入れ子の構造になっており、 この頭部など「ディテール盛り盛りで08小隊のザクのプラモみたい!」と過去のトレンドが急に現れてギョッとする。
(編注/『08小隊』と『復習のレクイエム』はどちらもメカデザインを山根公利氏が担当)

 さて、待望の「完全新規開発されたザクのプラモデル」なのだが、マーキングシール(ウェザリング風味)が挑戦的でビックリした!という話をしたい。メーカーの超技術によって「関節がよく動く」とか「シルエットに破綻がない」とかは当然な今であり(マジ凄い)、この新たなタイトルのプラモには、このザクには新たな試みがあるか否かは注目ポイントであった。それがまさかのシールだったのだ。

 CGアニメゆえの「テクスチャを貼り付けることで増やされる表面の情報量」をシールで補完するというこの試み。透明のポリエステル製シールにデザインが印刷されたMGやHGのキットでおなじみのテトロンシールは、水転写デカールと違って台紙からはがしてスグ貼れるカジュアルさが嬉しい。
 ソール部はより熱量が高く、ツィメリットコーティングという大戦時の戦車に施された防護処理をモチーフとしつつ、さらに汚し表現も加えられている。複雑な面に追従できるように分割もされていて「とにかく貼ってみて!カッコ良くなるから!」というメーカーの強い意思を感じた。実際、用意されたソール、胸、肩のシールを貼ると「あ。なんかリアル」と印象変わるのが不思議。

 肩のシールドとスパイクアーマーにもマーキングシールを貼るのだが、しっかりと面に追従してくれる。ガンプラのテトロンシール、なんかバージョンアップした? ちょっと薄くなった気がするが気のせい?
 あと、このソラリ機は肩が赤いので優勝です。プラ成形色もド渋で抜群に良い。レッドショルダーのカッコ良さに抗えないのはわれわれの国民性でしかないな……。

 組んだら思わず筆塗りトライブ! 清水圭氏がプラ成型色を活かし、直でハイライトをタッピングする簡易塗装テクを試してみた。パチ組みをバラす手間がないだけで大幅に工数減。短時間で自己肯定が爆発する革命的なこの簡易フィニッシュ技法、詳細は『清水圭:水性塗料 筆塗りテクニック マスターファイル SIM’S TECHNIQUE FILE』を要チェックで!

ホビージャパン(HobbyJAPAN)
¥3,630 (2026/05/27 11:09時点 | Amazon調べ)

 とにかくバンダイスピリッツから久しぶりに「新しいザクのプラモ」が出たのである。ガンダムはリニューアルされたキットが出まくりだけど、ザクは見た目に新しいザクのバリエーションが発売されても、中身は10年前に設計されたMSDシリーズのバリエーションキットだったりして、案外補欠扱い。
 しかし本アイテムは完全新規設計である上にパッケージに「NETFLIX 独占配信中」と宣伝が入っているなど、これまでにない文脈を背負っていることからガンプラの歴史においても後年レガシーとして語り継がれるキットになると思う。この半世紀続くバンダイのマーチャンダイズのあり方としてもさまざまな意味で”今の時代”を象徴しているわけだが、さらに半世紀後、残っているのはガンダムの方なのか、Netflixの方なのか。自分も長生きしてこの目で確かめたいのである。

関連記事