艦船模型というと「戦艦」や「航空母艦」と言った派手なものを思い浮かべると思いますが、少ない時間で形になるし、小さいスペースにいろんなものが凝縮していて目にも楽しいのが実は「駆逐艦」です。駆逐艦を1隻作ってみると「艦船模型ってこんなプラモなんだ」という入り口が開けます。今回はそんな駆逐艦を「3時間で全塗装して完成させる工程」をお届けします。ほぼ全ての駆逐艦に応用できますよ!
■ポイントはまずはキット選び!!
この記事は日本海軍の駆逐艦ならほとんど応用できるものですが、店頭で今でも手軽に買えるものという事で、定価1650円のハセガワの早波にしてみました。ウォーターラインシリーズの罠として50年前の古いものと発売1年以内のバリバリの新キットが同じ棚に似たようなパッケージで並んでいることです。一般論としては新しいプラモの方が作りやすいので、各メーカーのホームページなどでチェックしながら購入するのが良いでしょう。
早波というのは夕雲型駆逐艦の……なんていう話はとりあえず置いておいて、太平洋戦争中としては新しくて、速くて、軍艦としては小さくて、でも積んでる魚雷は凄いやつです。
■まずはぱぱっと組んでみよう!
艦船模型というと、「1.細かいパーツが多そう」、「2.どうやって塗るの?マスキングとか細かそう!」ってちょっとビビったイメージがわくかもしれません。この2点、実はそんなにびびらなくても大丈夫!今回の方法でまずは取り組んでもらえれば少ない時間でゴールにたどり着けると思います。「1」からみていきましょう。
「1」の細かいパーツが多そうってのは艦船模型では確かですが、駆逐艦ならパーツ点数で言えばそれほどでもないんですね。またパーツが小さいということは塗装面積も少ないってことで、塗り出すと意外と早く終わります。
■マスキングは最小限度。まずは艦船模型に色を塗る楽しみを知ろう!
組み上がったら塗装です。上記の「2」のお話しに行きます。まずは甲板上の塗り分けをします。リノリウム色(茶色)を塗っていきましょう。
大まかにマスキングします。昨今は最初から細いマスキングテープが売っているので、それを使用すればさらに早くマスキングできますね。昔は模型用マスキングテープなんて無かったな〜そういえば。タミヤの隼鷹の説明書でセロテープでマスキングみたいな事書いてましたね。
艦船模型のマスキングはマスキングテープを細かく切って張り込んでいくというのは今回は無し!小さい模型なのでよっぽどはみ出さない限り目立ちませんし、そのようなはみ出しは筆塗りで塗りつぶしてしまえば速攻で修正できます。
■組んでは塗り、塗っては組むの反復横跳びで艦船模型を軽快に作ろう
先ほどランナーで塗装したパーツは、切り出したゲート部分に塗料が乗っていませんね。これをカットしてから塗り、船体に貼るという順番でやるとパーツの取り回しが大変です。まずは船体にパーツを貼って固定してしまいます!船体に固定することで、一気に塗りやすくなります。このように艦船模型は「塗る→組む」や、「組む→塗る」という「工程の反復横跳びがある」ということ知るだけで、完成へのスピードと精度が上がると思います。
最後にエナメル塗料の黒をすんごく薄くしたもので全体を濡らすように塗ります。乾くまでそのままでOKです。全体にスミ入れされて雰囲気がよくなります。
駆逐艦って艦船模型の母とも言える存在。これ1隻を完成させることができるとより大きな船の模型も怖いもんなし。あなたはすでに艦船模型の4つのポイント
・まずは新しいキットを選んでみる
・細かいパーツの取り回しと塗装準備
・艦船模型のマスキング体験と細部の筆塗り
・塗装と組み立ての反復横跳び
を手にしているのですから。すんごいシャープで小さい船体に主砲や魚雷がぎゅう〜と積まれて、そこから煙突がスッと美しく伸びる駆逐艦。1/700スケールなら、掌サイズに軍艦のカッコよさが凝縮されたものを手に入れることができます。今回まいど!さんが紹介してくれた方法なら3時間で全塗装して完成させることも無理ゲーではありません。航海には初めの1歩が肝心。今回の方法でまずは艦船模型の初の航海を楽しんで、さらなるグランドラインを目指してください!