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初めての艦船模型にオススメしたい逸品!「アオシマ 日本海軍 駆逐艦 初霜」

▲1945年の沖縄特攻作戦に参加した様子をイメージした超激戦イラストが目印! 初霜はこの戦いから生還した船です

 アオシマの傑作「1/700 日本海軍 駆逐艦 初霜」初めての艦船模型にもオススメできる、素晴らしいバランスのキットです。駆逐艦は「サイズがコンパクト」「パーツ数も戦艦と比べてとっても少ない」「小さな船の中に生まれるギュウギュウの密度感による満足度の高さ」を、艦船模型の中で最も味わいやすいので僕は大好き。船の形にできるというゴールにも辿り着きやすいのもおすすめの理由です。
 そんな駆逐艦プラモの中でも、今回紹介するキットは絶品ですよ。

▲駆逐艦のプラモのボリュームは大体このくらい。ランナー状態で船の全容がだいたい把握できます
▲キリッとしたこのディテール! アオシマの初霜(初春型)のプラモの彫刻はメリハリがあってとても模型映えします

 本キット、まずは外見がとっても美しいです。甲板、各構造物、そして船体側面のモールドが模型映えするようにメリハリある彫刻となっていて、作る前から目を喜ばせてくれます。機銃などは過剰なディテールを追求することなく、モチーフの特徴を捉えた無理のない造形となっているので、銃身が曲がったり歪んだりせず綺麗な形状を保っています。

▲控えめなディテールですが、形状がとても綺麗。連装機銃は艦船模型でも目をひくパーツなので、この清潔感は嬉しいです
▲窓や舷外電路のディテールがとてもシャープ! 船体自体も歪みなし!

 駆逐艦は下の写真のように、船体、艦橋、煙突、主砲や魚雷発射管といった大きなユニットごとに組んでいきます。そしてそれら大きなユニットが完成したら、船体にそれぞれ合体させていきます。

▲僕は艦船模型の組み立ての時に、このユニットバラバラ状態が大好き。各ユニットの形状やディテールを単品でじろじろ楽しめるからです
▲マストや他の構造物も併せて船体に接着!! ほとんど船の形になりました。組むだけでこの清潔感あるシャープさを堪能できます。最高!

 ほぼ船の形になってから、大戦後半の日本海軍の船にはさらなるお楽しみがあります。それが大量の機銃の接着です。これによって小さな駆逐艦の中に、さらなる密度感が生まれます!

▲戦時中に空から迫り来る米軍機に対抗するため、機銃が増設された船が多いです。初霜も1943年の「あ号作戦」時に機銃兵装が増設されたそうです

 小さな機銃をピンセットでペタペタとたくさん貼っていく……この時間は周辺の音が聞こえなくなるほど集中する「ゾーン」に突入です! そしてついに完成なのです。

▲約2時間で組み上がりました! このかっこよさ!! 艦橋周りの密度感がとっても気に入っています

 艦船模型は小さなパーツをカチカチと合わせていくパズル的楽しさがあります。小さなパーツに刻まれた美しいモールド、そしてそのような小さなパーツが集合して生み出す艦船模型にしかない凝縮された世界は“組むだけ”でも楽しめます。アオシマの初霜は、組みやすさとディテールの美しさ、パーツの量と、艦船模型をまずは組んでみたいという人にとって最高のバランスになっています。多くの人が船の形まで辿り着ける、ゴールが見えやすいこの「アオシマ 1/700 初霜」で、ぜひ艦船模型の世界へと漕ぎ出してください!

▲同じ作戦に参加した矢矧(タミヤ 1/700)とコレクション。初霜は矢矧沈没後、乗員の救助にもあたっています
フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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