「腕時計を抱く飛行機」に魅せられて。Ju-52 IWC。

 スイス製の腕時計を多数所有してきたが、一番のお気に入りはIWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)のパイロットウォッチ・マーク15である。一見地味だが、内部に軟鉄製耐磁シールドを備えた軍用ゆずりの実用性と、高い工作精度によって生み出された11連ブレスレットの付け心地は、オーナーのみが味わう事が出来る歓びだ。

 ドイツレベルの1/72 「Ju-52 IWC」は、このマーク15のプロモーションとして企画されたプラモデルだ。腕時計の宣伝にJu-52を飛ばし、しかもそれをプラモデル化することが果たして広告として成功したかどうか不明だが、少なくともわたしは腕時計とプラモの両方を買ってしまった。

▲腕ではなく「翼を抱く時計」。そしてIWCのロゴが機体をよりスマートに見せる
▲ドイツのユンカース社が開発した航空機。ジュラルミンの波形外板(コルゲート)が特徴
▲この翼に時計のデカールを貼る。まさに時と同じ様にコルゲートにIWCのマーク15が刻まれる
▲ニュースペーパーのようインストの紙質と雰囲気。手に取る物をワクワクさせてくれる模型の説明書はキット作りの楽しさをさらに上昇させてくれる

 両方手に入れて初めて気づいたことがある。それは、Ju-52の翼に貼られた巨大なマーク15の広告は、1/72スケールにすると腕時計とほぼ同じ大きさになるということだ。これは偶然か、はたまた狙い通りかは不明だが、ますますIWCというブランドを好きになった瞬間だった。

プラモ極道
プラモ極道

愛知県出身カリフォルニア州サンノゼ育ち。かわいいネコちゃんと甘いケーキに目がない。