先日、初めて艦船模型を作りました。nippperで紹介のあった、タミヤの「響」です。

初めて作る模型を手にしたときに思うことはふたつあって、ひとつは「これからこのジャンルの模型をたくさん作るかもしれないぞ!」というワクワク感。残りは反対に「1個でお腹いっぱいになっちゃうかも」という気持ち。
これ、どっちがいいとか悪いとかじゃなくて、前者があるから少し失敗しても「また作ろう」って思えるし、後者があるから簡単に失敗をしないように集中するという効果があるので、いつも大事にしたい感覚です。

作ってみるとけっこう細かくて、1/72スケールのジェット機の足まわりを組み立てているときのような、細かくて集中力を求められる作業のみで構成されているような感覚です。これをどう取るかはそのときのモチベーション次第で、「ハンバーガーを食べたいのか、ハンバーグを食べたいのか」みたいな感覚でとらえればいいことだと思います。プラモというのはジャンルそれぞれで要求される作業の濃度が微妙に異なるので、ジャンルを変えれば「好みの味」を食べることができるのも良いところです。人と機械の情景なら1/35の戦車だし、カタチのダイナミックさなら飛行機、華々しさならラリーカーやF1と、いろいろあります。
その中で、「艦船模型は細かな作業を積み重ねる感じ」というのが個人的な感想で、むしろそれが楽しかったのです。
ただですね、失敗しました。しかも目立つところ。船体の側面に流し込み接着剤がはみ出して指紋がつきました。プラモ作りでいちばん起こりやすい、同時にいちばんしんどいミスです。そこでこいつの出番です。

付属のデカール。この中のタミヤマーク。じつはほかのデカール同様に、貼れるのです(タミヤ以外のメーカーのものも大概貼れます)。なので、切り取って失敗した箇所にていねいに接着。

メーカーのロゴデカールをプラモに貼るときに、いつも思います。「プラモがプラモらしくなったなぁ」って。ついついプラモ製作って実物に迫ろう迫ろうとしてしまいますが、こうやってデカール1枚で一気にプラモの側に引き寄せられるんです。しかも艦船模型の場合、縮尺も相まって「なんだかタミヤがスポンサーになって復刻させたもの」に見えてきませんか?ラリーカーやF1のスポンサーロゴみたいで。
今回は私のうっかりミスを隠すために貼られたタミヤマークですが、もちろん満足のいく仕上がりのものに敢えて貼るなんていうのもありです。プラモがプラモとして輝くための魔法のひとつ、「隠れデカール」を使って、さらなる模型の楽しみを増やしてみてもいいと思うのです。
■タミヤ 1/700 ウォーターラインシリーズ No.407 日本海軍 駆逐艦 響