すべての人に「筆で色を塗る喜び」を伝える最上のツール、ぺんてる 金の穂。

 また金色を塗る話? そう。また金色を塗るんだ。でも聞いてほしい。本当に「ぺんてる 金の穂」の穂先って、素晴らしいんだ。持つ喜び、思ったとおりにコントロールできる喜び、みるみるうちに目の前のものに色がついていく喜びという、「塗る喜び」のすべてがここにあるといっても過言ではないと思うくらい、すごいツールだと思う。まあ、見てほしい。

▲極限まで尖った穂先、落ち着いた金の顔料。

 ぺんてるの筆ペン「金の穂」は、落ち着いた和のテイストを感じさせるギラギラ感がやや抑えられた金色が特徴。書道を嗜むインスタグラマーや、画面にインパクトを与えたいイラストレーターの間で大人気のアイテム。プラモを塗るのにも使えるのかな、と試してみたところ、やはりぺんてるの筆ペンというのは穂先の設計、製造が素晴らしい。
 ナイロンの毛になめらかなテーパー(先が細くなる)加工をし、さらに先端が集中するように植え付け、コシとインクの流量をコントロールするために形状と材質を微妙に変えた毛を配合するという3つの技により、その書き味は数百円で買える筆とは思えないほど。根本はしっかりと太さを持ちながら、先端がキンと尖り、適度なコシでプラスチックの表面でも筆先が割れることなく狙ったとおりに動いてくれる。(ぺんてるの筆先がいかに優れているのかを体験したい人は、最近プラモコーナーでも手に入る「水ふで」で塗装してみよう。

 プラスチック地に直接乗せようとすると、細い線(面積に対してインクが多く出るところ)はしっかり発色するが、広い面になると顔料のノリにムラができる(とくに兄弟製品である「銀の穂」では顕著!)。とはいえ、ワンポイントの凸モールドや細いラインをスッと入れたいときには必要十分な性能。

 しかし、下地にプラモ用塗料(半ツヤ〜つや消し)があれば、粒子が均一に定着し、美しいメタリック面が現れる。穂先が極めて鋭く、潰れて割れることがないのでこまかいところも臆せず塗ることができる。
 水性顔料インクなので乾燥には一晩程度時間を置くのがおすすめだが、プラ地に直接塗装した場合でも、乾燥後は触っても簡単に落ちないほど定着する。

 もしこのシリーズに金や銀以外のインクがラインナップされれば、それはプラモ塗装の革命になるのではないか、と思うほどのすばらしいコストパフォーマンスを備えた金の穂/銀の穂。より強い金属光沢とベタ塗り性能を求めるならば、nippperでも紹介したマッキー ペイントマーカーがおすすめだが、良い筆とはなにか、筆で塗る楽しみってどんなものなのか、そして何より、自分でプラモの上に色を置くことでどんな効果があるのか、ということをもっとも手軽に、ドラマティックに楽しめるのがこの「金の穂」だと私は確信している。

 少しのエッジがあればしっかりと穂先が引っかかり、インクがじわっと広がって、思った通りにラインが作られ、その周りに金の面が広がっていく……。そして、もとの色が持っていた質感とはまったく違うものがみるみるうちにできあがっていく。まずは自分の塗ってみたいプラモを用意して、金の穂をスッと表面に滑らせてみよう。「プラモを塗っている人はみな、こんなに楽しいことをしているのか!」と驚くはずだ。
 「気に入ったモノに筆で色を付ける」というアクションのファーストステップ。みなさんも、ぜひ。

■ぺんてる 筆ペン ぺんてる筆 (金の穂 銀の穂) 2本セット XGFH-X/Z

ぺんてる 筆ペン ぺんてる筆 金の穂 XGFH-X