ハチドリのような存在感。eduard 1/144 MiG-21 BIS

 1/144の名だたるキットたちがある中で、とりあえずコレを楽しんでみるかと思ったのはやはり「勢い」と「神秘」。プラモに少し興味を持つと「エデュアルド」という名前をとてもよく聞くことになるのですが、それでいてチェコのメーカーだっていうのだから、気になる。プラモって本当にいろんな国で作られていて、作るたびにその国の考え方みたいなものに触れられるのがとても楽しい。

 というわけで、エデュアルドのMiG-21。チェコを簡単に「東欧」と一括りにしてはいけない気もしますが、革靴の世界だと、東欧の靴は固有の魅力があります。細かな装飾、独特なシェイプ、よその国では誰も思いつかないような、少しだけ濃いアイデアやバランス。このMiG-21はまさにそれ。

 写真のとおり、見た目は小さいのにとてもシャープ。翼なんかピシーッと薄いので本当にしびれます。指でつまむと裏側の指の感覚が伝わりそう。細いパーツ、小さいパーツが要所要所で出てきますが、だからこそ感じるメーカーの底力。裏を返すと、もう見えないくらい小さいのに感じられる足回りの緻密さ。ランナーにくっついた状態のときから、小さいときにテレビチャンピオンの「手先が器用選手権」で見たサイコロのピラミッドのような、「ひゃー」ってなるパーツたち。で、それを作らせる。誰に? 私に。私って……? 模型を作り始めてまだ2年くらいの私です。それで、うまくいくというから恐ろしい。

 模型を作ってて「あ、コレは俺でも作れるな」って思える瞬間というのは結構あって、その中でもかなり大きいのが位置を決めてくれること。どこにつけたら良いのか、どの角度でつけたら良いのかを無言で教えてくれると本当に嬉しい。

 そしてこのMiG21の足回りはそんな嬉しさの塊。主翼下部の脚は1ミリに満たないちょっとした突起が、パシッとハマる。このおかげで全くと言って良いほどブレない。カバーは「折り曲げる」って指示があるのだけれども、薄い切れ目が入っているのでたやすく曲がる。脚を支えるパイプは両端共に完璧な角度でカットされていて、パズルのラストワンピースを納めるように気持ちよくハマる。写真で完全に見せられないのが惜しいところですが、見えないくらい目立たないガイドを作っているという点がこれまたすごい。

 この気持ち良さが縦横1cmにも満たない世界でパシパシパシっと発生するわけで、本当によくできたミニチュアを楽しく作れる!というのがこのキットの醍醐味なんです。

 しかも、実はこれ、2つ入っているんですよね。Dualってことで。

 2つあるっていうことは1つはこうして組むだけ。もう一つは塗って仕上げるなんていう楽しみ方もできます(なんとマスキングシートがついている)し、2つとも同じように仕上げることもできます。さらにいえば普段やらないようなこともできるのもポイントですね。

 私はこの小ささの中にぎゅーっと詰まった緻密さにやられてしまって、それをフルに楽しもうと、キャノピーオープン状態で仕上げました。もちろん細かな作業ですが、これだってバシッと決まる。

 飛行機は鳥だな、といつも思うのですが今、手元にちょこんと置いてあるだけでもまるでハチドリのような存在感が発生しているし、ピトー管やノーズコーンの切っ先のピリピリとした緊張感が伝わってくるのは、このキットの緻密さとそれを作った私の記憶がリンクしているから。

 作った人にしか味わえないにしても独特すぎるこの感じ、最高です。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。