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【レビュー】光学迷彩のプラモデルに塗るべきガンダムマーカーの話/PLAMAX 草薙素子 with フチコマ 光学迷彩Ver.

 PLAMAXの草薙素子 with フチコマはすこぶるよろしいプラモデルなのですが、いわゆる色替えで発売されている光学迷彩 Ver.というのはつまり全部のパーツが透明なのであります。光学迷彩……つまり可視光で見えなく(あるいは見えづらく)なるというのは非常に面白いテクノロジーであるものの、いまんところ攻殻機動隊の原作コミックスで描かれたような未来は来ておりません。ということで、来させましょう。やってやろうじゃないの!

 まあ透明パーツって言ったってそこには屈折や反射という光学的な原理原則によってぜんぜん目視できてしまうわけで、それではなんかこう表面処理をしたらどうにかなるんじゃねーの、とあれこれ考えて数日。突如として「あ、月光蝶ホロシルバーなんじゃないの」という天啓を得ました。そしたら一気呵成にフチコマを組んでしまいましょう。カニを食べるときくらいにバラけた状態にしておくと便利です。

 ガンダムマーカーの「月光蝶ホロシルバー」は、塗装した面があたかもターンエーガンダムの月光蝶のように虹色に光るというシロモノ。なんでそうなるのかを調べたら薄いフィルムに微細な溝を刻んでから粉砕してこれを顔料とし、物体表面に塗布すると入射角に応じて特定の波長だけが強く反射するという機序があるらしい。分かるようでわからんのですが、こういう塗料を丸いものに吹くと面の場所ごとに光との角度が変わるので、一度にいろんな色が現れます。平面なら面全体が似た色に見えて、見る角度を変えるにつれて色が動く。このフチコマみたいな曲面だらけの物体には、めちゃくちゃ相性がいいわけです。

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 表面にズバーっとエアブラシで塗ります。ガンダムマーカーの中身を取り出したいときはペンの先端部が逆ネジになっているのでペンチでネジを締める方向に回せばOK。中に小さな金属製の撹拌球が入っているのだぜ。ちなみにこういう塗料を塗るときはエアブラシをあらかじめよーく洗浄しておきましょう。今回は塗装の終盤でわずかに残ったグレーの塗料がブツブツと飛んでちょっと悲しい気持ちになりました。それもまた学び……!

 しかも薄く吹いた月光蝶ホロシルバーの塗膜は光をほとんど遮らず、逆光で眺めれば元の透明感もちゃんと残っています。あとすごく大事なのは点光源じゃないと虹色に見えないということ。LED電球のデスクライトで照らされていればものすごくきれいな虹の縞が現れますが、たとえば天井バウンスとかライトボックスみたいな面光源で撮影すると虹色は消えてしまうので要注意。

 そして月光蝶ホロシルバーの素晴らしいところはGSIクレオスの水性プレミアムトップコートを上から塗装しても虹色が失われないということ!たっぷりデロデロになるまで吹き付けてから一晩乾燥させて組み上げるとツルテカの面がドワーっと虹色に。透明のままでガラス細工みたいに見えるのもいいけど、この不思議なルックもまた、光学的には迷彩と言って良いはずです。

 『士郎正宗の世界展』でみた攻殻機動隊の生原稿は本当にふしぎな(そして超アナログな!)手法のオンパレードで、わけてもCGを使わずに虹色や透明を表現するのにあっと驚くテクニックを使っているのが印象的でした。透明なプラモデルに月光蝶ホロシルバー、とてもフィジカルな、肉眼で眺め、視点を動かしてこそ味わえる魅惑的なエフェクトが手に入ります。みなさんも、ぜひ!

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からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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