
■本記事はボークスより商品の提供を受けて作成しています(PR)
いきなりだが、バッシュ・ザ・ブラックナイトのデザインはマジでスゴいと思います。両肩をはじめところどころに溜色のアクセントが入るものの、「黒騎士」の名前どおり前身が黒く、色で魅せるというよりも、とにかくシルエットだけでキャラクターが成立しています。もちろん『ファイブスター物語』第一話の激闘で脳を焼かれた我々の認知にバイアスがかかっていることは否めないのですが、そのカタチをプラスチックモデルにしたボークスのIMS 1/100 バッシュ・ザ・ブラックナイトが、16年の時を経て「強化」されたとなれば、改めてその姿を拝みたくもなるというもの。
>ボークス IMS 1/100 バッシュ・ザ・ブラックナイト 強化装甲仕様
改めておさらいしておくと、IMSは『ファイブスター物語』に登場するモーターヘッドをインジェクションプラスチックキットで立体化するボークスのシリーズです。2009年発売の「S.S.I.クバルカン ザ・バング」に続く第2弾として、1/100 バッシュ・ザ・ブラックナイトが発売されたのは2010年。腰の装甲を軟質パーツで吊るして脚の動きに追従させるなど、かなり独特な構造を持ったキットでした。組み味には少々ピーキーなところがあるものの、完成した姿はめちゃくちゃカッコいい……と、現在に至るまで多くの人達に評価されてきた名作です。

今回発売される「強化装甲仕様」でまず面白いのは、昔のキットを全部作り直したわけではないということ。新たに金型が起こされたのは2種3枚のランナーで、胴体フレームや肩、股関節、足首などの構造を更新。ポリエチレン製だった一部の軟質パーツもPS樹脂のパーツに置き換えられています。新規開発のランナーと、16年前から使われ続けているランナーが一緒に入っているという内容だと考えればわかりやすいでしょう。

ランナーは19枚で合計413パーツ数と、数字だけ見るとなかなかの物量ですが、バッシュ・ザ・ブラックナイトのデザインゆえに大ぶりなパーツも多く、左右共通のランナーも5セットあり、すべてのランナーをテーブルの上に広げてみてもそこまで威圧感はありません。

旧キットで特徴的だったのが、関節や装甲の接続に使われるポリエチレン製の軟質パーツを重なり合う装甲の可動ギミックにも使っていたこと。たしかに構造を作るには便利なのですが、一般的なプラモデル用接着剤では接着できず、塗装にも向いていないため、この素材との付き合い方は作り方によって悩ましいポイントだったのは事実。しかし今回の強化装甲仕様ではその基部が新しくPS樹脂で作られ、ディテール表現はよりシャープに。さらにプラモデル用接着剤で接着できるのはもちろん、普通のプラスチックモデル用塗料で塗れるようになりました。

変更点はその他の部分にも及んでいて、胴体フレーム、胴体から肩へつながる関節、股関節、足首など、完成後の可動や保持力に関わる場所には新しいパーツが投入されています。ランナーを眺めているだけでも、「名作と呼ばれた外装をいかにして現代的な内部構造とマッチさせるか」を考えた改修であることが見て取れます。箱の中に新旧のランナーが入り交じっていること自体が、このキットに込められた自信を感じさせるポイントと言えましょう。

正直言いまして、パーツの位置決めにはややファジーなところがあります。(これはモーターヘッドのデザインを追い求めるうえである種トレードオフになるポイントなのですが)パーツの裏側にあるホゾやピンを所定の位置に差し込めば勝手に正しい位置に決まるという感じではないので、いったん仮組みして、隣り合う装甲とのつながりや全体の線を見ながら角度を調整し、接着していくのがよさそうです。ただ、「ここだ!」と思える位置にパーツが収まったとき、流麗なアウトラインが現れる快感を味わえます。

最近、この手応えはスケールモデルを組んでいるときの楽しさに近いなと思うようになりました。パーツの位置や角度を見ながら、正しい外観になるところを探していく。そうやってモーターヘッドの複雑なカタチをプラスチックモデルとして組み上げていくこと自体が、IMSの面白さのひとつなんだと思います。
16年前の外装パーツを活かしながら、関節や装甲の接続部には新しい設計を入れる。昔のバッシュのカタチを変えずに、組み立てや可動に関わるところを更新したのが今回の強化装甲仕様です。新旧のパーツが一緒になったバッシュを最後まで組むとどうなるのか。全体を組み上げての感想はまた後日。