

最近の艦船模型は組んだだけでも精密でディテールいっぱいのアイテムがたくさんあります。刺身で味わうのにぴったりのプラモがたくさんあるんですよ! 今回ご紹介するピットロード製「夕張」もそんなプラモ。5月に発売されたばかりのピチピチプラモです。ピットロードのスカイウェーブシリーズはクッキリハッキリなメリハリのあるモールドが特徴です。
帝国海軍の軽巡洋艦、夕張はコンパクトな船体にたくさんの装備を凝縮した独特の艦船です。軽巡洋艦としては短く全長が139mで、大きな駆逐艦よりちょっと長いぐらいです。秋月型駆逐艦などは134mなので、ほとんど変わりませんね。大江戸線が16.5m車両8両の132mなので、大江戸線のホームぐらいのサイズです。

夕張は、「5,500t型軽巡の持つ打撃力を可能な限りコンパクトな船体に無駄なく配備」した1隻のみの実験艦的な軽巡洋艦という独特の艦船であるがために同型艦がいません。設計者の平賀譲の名を世界に知らしめた革新的な船でもありました。こうした単独の艦船はパーツの流用が効かないのでなかなかキットが発売されない傾向にあります。しかしピットロードが新たなキットの開発に乗り出し、2021年5月に遂にお目見えとなりました! ワクワクですね!!

組み立て説明図とは別にこの夕張を解説した資料もついてきます。メチャクチャ詳細な解説なので、読めば夕張をより思い入れ深く創ることができるでしょう……!

パーツが高精細でディテールはシャープ、それが現代艦船模型の世界です。このようにギッシリと箱の中に詰まっています。切断面をキレイにするために、先端の細い精密なニッパーをご用意ください。


とにかく細部にまでこだわったパーツたち。裏も表もディテールでびっしり。艦船模型はスケールが他のプラモよりも1/700や1/350と縮尺の値のケタが違います。だからこそ組み立てる前に、ランナーに納められたパーツにどんなディテールがデフォルメされて入っているかを見たり、メーカーが極限まで細かいモールドにチェレンジしている姿勢を見る楽しみがあります。メーカーのこだわりと我々のワクワクが交錯する瞬間です。

船体も凹凸が走り、鋼板の重なり合った表現が見られます。窓には雨樋がまつげのようにくっついて、それもまたくっきりと見えますね。

甲板は床に敷かれたリノリウムをおさえる金具のディテールが縦横に走っています。巡洋艦では頻出のディテールですね。このキットは最新の資料、考証に基づくリノリウム張りを再現しています。外側に向かって低くなるキャンバーもありますよ。

そしてこのキットはフルハルにもできます。1/700スケールの艦船模型は多くが喫水線でカットされたウォーターラインが主流ですが、艦底のパーツもついてくるんです。

組み立ては、それなりに細かいパーツが多いので、紛失には気をつけましょう! じっくりと調整しながら進んで、この艦橋が組み上がったときの静かな感動……。たまらないですね。


2日ぐらいで組み立て自体はできました。艦底のパーツは「接着していない」のですがぴったりきます。接着にはディテールが溶けにくいセメントSがオススメですよ。

喫水線でもなかなかに映えるすがたをしています。ギュッと凝縮したとはいえ、駆逐艦よりも横幅もあり全体ではゆったりしたレイアウトですね。

夕張やこのころの軽巡洋艦は14cm砲を搭載しているんですが、夕張は下に単装、上に連装砲という面白いレイアウトをしています。艦船模型のコレクションが増えるとだんだん個性が見えてくるようになって、それぞれの違いをより楽しめるようになります。

艦底ありでも、喫水線でも。夕張のコンパクトで特徴的な姿をシャープでキレイに立体化しています。ピットロードの新しいキットは夕張を「知って楽しい」、「組んで楽しい」と見どころたくさんのアイテムですよ。