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【レビュー】ふたり乗りのコクピットと、はち切れそうな太もも。「ブロックヘッドはこうでなくっちゃ!」を詰め込んだマックスファクトリーのプラモデル。

 1980年代前半のリアルロボットブーム華やかなりし頃、大河原邦夫デザインのメカは皆ムチムチのパンパン、健康優良児的体格でした。そのデザインのテイストを濃厚に受け継いで立体化したのが、マックスファクトリーの「1/72 アビテート T10C ブロックヘッド Xネブラ対応型]です。

 組み立ては頭部から開始。モビルスーツとちょっと違い、兵器っぽいキャノピーが頭部に配置されているのがコンバットアーマーの特徴です。ミリタリーっぽいテイストをプラスすると同時に、「ここに人が乗ってますよ!」という目配せをする効果もあります。ブロックヘッドの頭も「目」にあたる部分がコクピットのキャノピーになっており、その下に機関砲、さらにその下にはスリットがついた「口」のような部分とウネウネしたパイプという配置。まるでザクの顔面を上下にビロ〜ンと広げて、真ん中に機関砲を取り付けたような構成です。

 この頭がコクピットになっており、さらにその下の胴体内に機関砲操作のための操縦席がありますよ、というのがブロックヘッドの特徴です。「複座の人型ロボット」については様々な挑戦が行なわれてきましたが、80年代前半における最新の複座ロボがこのブロックヘッドだったわけですね。顔面にくっついている機関砲はブロックヘッドのチャームポイントだし、さりとてロボットを動かしながら目の前の機関砲も操作するのは難しそうだし……と考えると、機関砲のためだけに専属パイロットを乗せるのも案外合理的な気がします。

 この「人が二人乗っています」という面白さを、マックスファクトリーのキットは全力で表現。別に外から見ればよくわからないのに、頭のコクピットと別に胴体内のコクピットも用意されており、組み上がった胴体内部に差し込む設計となっています。一度はめこんでしまえば外からは全然見えなくなるんですが、しかしこの工程を踏むことで「パイロットが頭から胴体にかけて上下におさまっている」というブロックヘッドの特徴をスルッと飲み込める。「たとえ外から見えなくなるところでも、ここは譲れんのだ!」というマックスファクトリー設計陣の声が聞こえてきそうなギミックです。なにより、人が乗っていると……なんだか嬉しい……!

 可動に関してもよく練られており、特に関節の作りについては全体的にゴツめ。特に足回りは巨大なポリキャップを駆使してしっかりと固定されるようになっております。前述の動体内コクピットや各部のパーツなどによってブロックヘッドの上半身はけっこう重ためになっており、しっかり立たせようと思うと関節はこれくらいゴツい方が安心ですね。

 また肩関節は大きく前方に引き出せるようになっています。肩関節の前後移動は今や人型ロボットプラモのスタンダードになった感もありますが、武器を体の前面で抱え撃ちさせるためには有効なギミック。この肩関節のブロックもゴツく作られており、見るからに頑丈そうです。

 というわけでサクッと完成。関節のユニットを作る工程だけちょこっと細かめですが、あとは大ぶりなパーツで手足が組み上がっていくのでハイペースで形になるのが嬉しい。で、どうですかこの立ち姿! ガッチリした上半身に、パンパンではち切れんばかりな太ももとスネ! 強豪校の柔道部員のようなこのプロポーションこそ、「あのころの大河原メカ」そのものではないでしょうか。

 完成後の注目ポイントとしては、肘関節の上下にロール軸があることでしょうか。この回転軸によってグッと肘を張った立ち姿になるし、腕部のアーマーライフルを自然な角度で構えられます。また肩部の装甲と肩が二軸のヒンジ状可動部でつながっており、肩の動きに自然に追従させることができるのもポイント。「なるべくデザインはそのままに、できるだけ自然なポーズを取らせたい」という意思が伝わってきます。

 武装としてマグランチャーも付属。肩部・腕部の関節配置がよくできており、特に苦労することなく自然に両手での抱え撃ちポーズをつけることができます。ハンドパーツの表情も自然で、しっかりと武器を保持できるのもグッド。

 というわけで、マックスファクトリーのブロックヘッドは「あのころの大河原メカ」のプロポーション・ディテールをできる限り再現しつつ、現代的な可動ギミックも盛り込んだプラモとなっておりました。とにかくコクピットとムッチムチの脚線美に込められた「ブロックヘッドはこうであってほしい!」という思いがパーツからビンビンに伝わってくるので、80年代大河原デザインに脳を焼かれた人なら必携。現在でも普通に購入可能なので、ぜひチェックしてください!

しげるのプロフィール

しげる

ライター。岐阜県出身。元模型誌編集部勤務で現在フリー。月刊「ホビージャパン」にて「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」、「ホビージャパンエクストラ」にて「しげるの代々木二丁目シネマ」連載中。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

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