宇宙最速でボディが完成するロボットプラモ!/アニメのあの姿が誰でも決まるマックスファクトリーの「ビッグフット」。

 『太陽の牙ダグラム』シリーズのメカを精力的に立体化してきたマックスファクトリーのコンバットアーマーマックスシリーズ。今回新たに発売になったのが、ソルティック HT128 ビッグフット 雪上用カムフラージュ 防寒シールド仕様です。ビッグフットと呼ばれるメカはすでに発売されたんじゃ……と思うかもしれませんが、ご覧の通り”服を着た”スタイルになっています。
 立体だけ見ると結構コミカルなんですが、ビッグフットの耐寒シールド装備は物語を終盤を彩る印象的なメカニックなんです。主人公たちダグラムがいよいよ北極ポートという重要な拠点に向かうとき、この防寒シールドを着たビッグフットが次々と立ちふさがります。早く北極ポートを制圧したいデロイア解放軍と、連邦軍第8軍の激しい抵抗……! そこに畳み掛けるように人々のドラマがあってですね……。


 こちらが今回新たに作られたランナー、防寒シールドですね。作画省略のためのアイディアなのでしょうが、作中で着せている途中のシーンが描かれていて、あったかい暖気を送るかのような箱型の装置が傍らにおいてあったりして、着ることへの説得力をもたせようという画づくりがうまいのがダグラムでした。いわゆる局地戦型ロボットが多く生まれたなかで、この着る装備は寒冷地に対応したビッグフットの象徴的装備となったのでした。ところで、私はこの装備を”ジャージ”という名で認識していたんですが、これは私の知っている界隈で流通している名称だったのでしょうか、調べてもあまり出てきません……。

 胸と背中には内部のメカと対応するインテーク部分があります。パジャマソルティックにはない部分ですね。もこもこの造形のなかに、ちゃんとメカが入っていますよ、という角張りなど、原型師の平田英明氏の造形が光ります。またなんとも言えない寒色系の成型色が良いんですよ。自然とシワを引き立たせます。

▲防寒シールド部分だけではなく、頭部周りも対応するパーツが新しく起こされています。
▲以前のパーツを見てみましょう。胴体の側面と頭部側面が一緒なんですね。って、値段を見ればうすうすわかると思うのですが、普通のビッグフットにも作れます
▲ただしこのキャノピーや足首などは共有なので、どちらかを選ぶ必要があります。このキャノピーにまつわるドラマや素のビッグフットについてはマックスファクトリーのブログを見てくださいね
▲新パーツを外装としたコクピットです。コクピットの再現はマックスファクトリーのコンバットアーマーマックスシリーズの美点のひとつで、各コンバットアーマーの頭にあるコクピットを組むたびによくできてる、よく人を乗せているなあと面白くなる部分です
▲いきなりボディパーツがバチッ! とできてしまうんです。全身あっても結構組みやすいのがこのシリーズですが、ジャージなら数分でここまで来れます。神速です
▲このパーツがビッグフットのディープな部分で、耐寒シールドから突き出るスモークディスチャージャーまわりのポイントを本当に良く立体化しています。あのジャージってこうなってたんだ。というのが立体でより分かります

 腕も足もすぐにできちゃいます。2連リニアガンがかっこよく決まるように、腕の角度もしっかり出ています。パーツもぴったんこ合いますよ。ビッグフットといえばなぜか真正面でリニアガンがこっちを向いている構図を思い出してしまう私です。絶体絶命ですね。

 そしてオマケというか、このキットにはもうひとつ新しいフィギュアがついています。若く有能なヘルムート・J・ラコック弁務官、そしてもうひとり、デスタン。ダグラムを見た人なら、もう声とBGMが聞こえてきますよね。うわ~! それぐらいあのシーンを良く切り取った、1/72でもよくわかる、特濃なフィギュアです。


 いまさらながら、防寒シールドを着たビッグフットまで立体化されるとは、マックスファクトリーがダグラムシリーズをはじめたときには思っても見なかったことでした。とくにこのジャージのビッグフットは、集団で続々と立ちふさがる敵で、あの濃厚なダグラムのストーリーを演出する印象的なメカだったわけです。付属のフィギュアもそうなのですが、あの終盤の展開を思い出させるどころか、自分があのころ夢中になってダグラム(の再放送)を見ていたことも思い出すようなキットで、思わず夢中になって組むスピードも回転数が一段と上がってしまいました。もちろん、ダグラムを知らなくても、このビッグフットに少しでも興味を持ったら、ぜひトライしてください。’80s大河原メカ独特のフォルムをシンプルに再現しつつも、デザインを尊重しながらもよく動くように考えられた可動、そしてそれを超越した固定での防寒シールド再現。あのころのロボットアニメキットのひとつの理想形がここに見いだせることでしょう。

けんたろう
けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。