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【レビュー】パーツは少ない、見どころは多い!/マックスファクトリー「GT版ブロックヘッド」のポテンシャル。

 ブロックヘッドのコクピットを組んでいたら、シートとパイロットが一体で1パーツでした。ここまで割り切るのか! と思うのですが、腕部はしっかり成型されていて造形的にも見どころがあります。顔面をアップで覗き込めば、彫りの深い顔もしっかり覗く。簡単に組めるようにするところと、完成したあとに見えるところ。その線引きがなんとも面白いプラモデルです。

 このブロックヘッドは、マックスファクトリーの「Ver.GT」シリーズ。基本的にパーツ数を抑えた簡単でスピーディーに組める仕様となっていて、太田垣康男氏のイラストのようなアレンジが効いたコンバットアーマーが手軽に完成します。今回もポリキャップなし。バチッとプラの受けにハマる関節が、しっかりとポーズを保持します。

 ひじ関節もシンプルな設計。肉抜きは見えづらい位置に追い込まれ、外側は装甲パーツでカバーされるなど、デザインとシンプルさをうまく両立しています。パーツを減らすというのは、何かを諦めることではないらしい。少ない部品のなかで、見えるところと動くところをどう成立させるか。その工夫があちこちから見えてきます。

 地味な割り切りが光るのはマグランチャーの握り手も同様。武器を持つハンドパーツとグリップが一体化しているので、握り方をああだこうだと悩む必要がありません。これまた前腕にはめてみると、ボールジョイントが動かすための前進位置と、前腕にしっかりくっつく深刺しの2ポジションを取れるようになっています。パーツは少なけど、両手でかっこよく構えられるのです!

 そもそもブロックヘッドというコンバットアーマーは、見た目の派手さこそないものの、『太陽の牙ダグラム』劇中においてなかなか記憶に残る敵役として登場します。二人乗りといいつつも片方は胴体に半ば入っていて、もう一人も細い顔面からちらっと覗くのみ。どこか感情のなさそうな顔をした、無骨なロボットです。

 そんなブロックヘッドを40年ぶりに漫画で鮮やかに蘇らせたのが太田垣康男氏。『Get truth 太陽の牙ダグラム』であらためて熱いドラマを描き、登場するロボットはVer.GTとしてマックスファクトリーから立体化されています。パッケージは描きおろし。砂漠でマグランチャーをぶっ放すブロックヘッド。そりゃあ、トップの写真みたく構えさせたくなります。肩の引き出し式関節が効いてますね!

 肩アーマーの黄色いマークや赤い装甲パーツにつく白い帯には、水転写デカールが用意されています。パッケージを見るとわかりますが、顔面にも中央を白い帯が走っています。赤いパーツにこれが入るだけでもかなり印象が変わるでしょう。手早くカタチができるぶん、その先にどこまで手を入れるかはこちらに委ねられています。

 ブロックヘッドの脚部って、意外と複雑な色分けがあります。イラストのシャープなエッジと、しっかり組み合わさるパーツ。さらにイラストのディテールを追いつつ、そこに合わせ目を追い込んで、処理すべき合わせ目がないようにしている……など、いろいろと高次にまとめたカタチになっています。単に組むとパーツ数のわりにサラッと通過できる場所なのですが、地味に見どころがたっぷり詰まっているのが脚部です。

 ところが、その脚を動かしてみるとひとつ気になるところがありました。シンプルな組み立てに飲まれてしまったかと思えるのが、足首の接地性です。ドスッと立っているぶんにはカッコよく決まりますが、足を開いてアクションとなると少し心もとない。腰のスカートも膝もよく動くので、ここはモデラー側のがんばりどころかもしれません。

 そこで、いちばん簡単にできそうだった足首の関節軸の延長を試してみました。4mmぐらい間にプラ材を挟んで伸ばし、金属線でガッチリつなぎます。より高度な関節を仕込むこともできますが、このプラモデルがこれだけシンプルにできているのですから、こちらもなるべくシンプルな工作で応えたいところです。

 これだけでも足首の可動が広くなり、立ち方が変化しました。伸ばす量は3~5mmぐらいの間で、たくさん動かしたい場合は長く、パーツ同士の一体感を求めるなら短めに調整しましょう。今回は金属線で強化しながら伸ばすだけ。それでも、足裏がついてくるようになるとブロックヘッドのポーズはかなり変わります。

 シンプルですごく早く完成するから、気になったところをひとついじってみる余裕もある。こういうちょっとした加工がダイレクトに効いてくるのも、現代のプラモデルの良いところかもしれません。単に組み立てるも良し、その後の塗装作業や可動をさらに高める改造をするも良しで、素材としても優秀です。それにしても、ここまで現代的なデザインで手早く組めるブロックヘッドが手に入るとは、なんと良い時代でしょう。イラストの太田垣氏も、立体化したマックスファクトリーも、それぞれ良い仕事をしています。みなさんも、ぜひ!

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けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

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