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【レビュー】同じ戦車兵でも服の色が違う不思議。そんな楽しさも精密フィギュアプラモで分かる「タミヤ 1/35 ソビエト重戦車 KV-2」

 ソ連の異形戦車といえば、異常に頭でっかちな外見で知られるKV-2が有名。タミヤからは1975年にプラモデル化され、2022年にはリニューアル版のキットが発売されました。こちらには近年のキットらしく3Dモデリングを活用したいい感じのフィギュアがついているわけですが、箱絵を見るとなんだか2人の服装がバラバラです。これ、どういうこと?

 2人の服装はパーツ段階で見ても大きく異なることがわかります。立っている方の戦車兵はツーピース型の野戦服を着用していますが、車内から身を乗り出している方の戦車兵はベルトのついたツナギのような服を着ている様子。前後左右にディテールのあるソ連型戦車帽を再現するためパーツが分割されていたり、地図用のボードが手と一体で成形されていたりと、この時点でけっこう面白い発見がいろいろありますね。

 組み上がってみると、立っている方の戦車兵はなにやらガッツポーズをキメています。こちらは1975年版についていた戦車兵氏のポーズをトレースしたもの。往年のMMファン向けのサービスですね。で、服装が全然違うのはなぜなのか。

 実のところ、ソ連戦車兵の服装というのはけっこう適当で、いろいろな装備品が混在していたから……というのがいちばんの理由だったりします。第二次大戦当時のソ連戦車兵の服装は基本的には歩兵と同じで、ギムナスチョルカと呼ばれるスモック型の野戦服と、乗馬ズボンの組み合わせでした。それにパッド付きの茶革製戦車帽(のちに箱絵の兵士がかぶっているのと同じ、黒いキャンヴァス製になりました)を被ってピストルのホルスターをつければ戦車兵のできあがり……という、非常に簡単なセットアップです。KV-2のフィギュアで言うと、立っている方の戦車兵がモロにこの服装ですね。

 しかし、それとは別の戦車兵独特の装備として、ワンピースのオーバーオールが支給されていました。このオーバーオールは戦車搭乗時に野戦服の上から着用するためのもので、当初は黒やダークブルーだったものの、戦争が進むにつれて黒からグレーの間の様々な色合いのものが作られたそう。さらにその上から着用する冬季用装備として、黒革製のツーピース戦車服や七分丈のシープスキンコートが支給されました。これらの装備を状況や好みによってバラバラに着ているので、ソ連戦車兵の服装というのはバラエティに富んでいるわけです。

 ということで、車体から身を乗り出している戦車兵氏が着ているのは、このワンピース型オーバーオールだったということになります。箱絵の彼はダークブルーのものを着用していますが、前述のようにこのオーバーオールは黒やグレーなどいろいろなカラーのものが使われていたようで、このあたりはソ連的大雑把さと言えましょう。黒っぽかったり青っぽかったりする色なら、手元にあるものを適当に塗っても「元は黒っぽかったのが色落ちしたんだよ」とか言えてしまうのもちょっと面白いところ。ぜひ好きな色で塗って楽しんでくださいね!

しげるのプロフィール

しげる

ライター。岐阜県出身。元模型誌編集部勤務で現在フリー。月刊「ホビージャパン」にて「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」、「ホビージャパンエクストラ」にて「しげるの代々木二丁目シネマ」連載中。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

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