
ベルファインの製品ラインナップには”○○セレクション”と名打ったモノがあって、要はそのタイトルに登場するガジェットを複数ワンパッケージにまとめてリリースというスタイル。絶対人気の主役級、ライバル級の存在が含まれるのは当然として、次点以降のチョイスはなかなかにセンスを試される。そんななか「ふしぎの海のナディアコレクションPART2」にセットされたメカキング2種(レッドキング/ブラックキング)は選ぶセンスもプラモのセンスも最高!だった。
ランナーの枚数も色数もなかなか多くてびっくり。同じシリーズの「ふしぎの海のナディアコレクション」(要はPART1)が昔のお菓子のオマケのような”フルスペックを目指していない仕様感”だったので油断していた。PART2になって価格が随分膨らんだなと思っていたんだけれど、相応になっていると納得させてくれる内容に見えたね。組みだす直前の箱を開けてランナーを広げた時の感想が「プラモ、高くなったなぁ」では水を差された気分になっちゃうからね。

そもそもメカキングってなんだよ?ナディアというアニメが名作で何度もネタでこすられているのは見ているけれど聞いたこともないよ……って人も少なくないと思う。シリアスな展開の第22話「裏切りのエレクトラ」から一転、漂流してたどり着いた無人島でのあっけらかんとしたエピソードが続く通称「島編」に1話だけ登場する、内輪ケンカの決着のために作られた真剣勝負用ミニ四駆的なネタ枠のメカニック。

そんなモノにまでこんな豪華な部品数と色分けが!これがベルファインのセレクションパッケージの面白いところで「メカキングだけのためにこの色数と部品数が用意」されたわけではない。1ランナー内に複数の別のメカニックの部品が混在させた構成がとれるので他のメカニック(特に主役級)で必要になった色のランナーの余白に部品を詰め込めてしまうという、セット商品の裏ワザ炸裂みたいな方法論で「ネタ枠とは思えない仕様のプラモデル化」を達成している。

キングよキング、メカキング。どうしてそんなに豪華な仕様のプラモになるの?なんて気分になってしまうくらいちゃんと作り込まれている。消しゴム人形みたいに単色でソフビ人形みたいな胴体と手足の付け根くらいの分割のモノを手にするんだと思っていたらこのサプライズである。

庵野監督作品に高頻度で存在する既存作品へのオマージュとうかネタ引用の塊みたいなデザインで、まんま昭和メカゴジラのパロディである上腕横の「MK(メカキングの略)」の銘板に至るまで別パーツで再現されているのだから組んでいて笑いが絶えない。「ネタ枠なのに部品が多くて組むのがつらい」に至らず組んでいて「わはは、馬鹿だなぁ!」という笑いが絶えない。

キンタマの部品まで球形状を可能な限り追うべく別パーツ化されているのもポイントが高い。このプラモデルはいったいなんのポイントを稼ごうとしているのでしょう?(CV:井上喜久子)

そして劇中、レースのスタートを切る発射台(?)となる台座も付属。ちゃんと相応しい色も用意されて、オタクのしてしまいがちな細かい指摘が何も湧いてこないよ……と思ったら塗装図を見てまたびっくり。そうだったこの2色のメカキングの名前はそれぞれ「レッドキング」と「ブラックキング」。その名の通りブラックキングは本来ブラック、青じゃない!「対決する2体だから色は対照的な赤と青だよねw」なんて脳内記憶が書き換えられていた……ブラックキングのためだけに黒いランナーを用意できない事情からくるアレンジなわけなんだけれど、上手すぎて全然気づかなかった。メーカー側の思惑がいちいち全部一枚以上うわ手で嬉しくなっちゃうね。

尻尾は静止時のモノと、疾走時の後ろになびいた形状の2種が付属。至れり尽くせりだな。背中のディティールの違いがじっくり見れるね!なんてのは些細なことで、メカゴジラのパロディであることしか気づいてなかったけれど腰回りは相撲のまわしのイメージなんだ!とか全然細かくない要素に今になって気づけて面白い。ナディアというアニメは大好きだけど、そんなに真剣に見てこなかったもんねメカキングのデザイン。

じゃあ相撲とらせちゃうかせっかくだし!なんて…組みあがったらコケシのように並べてオシマイくらいにしか思ってなかったトコロにちょっとワチャワチャ遊んじゃうターンが発生したよね。すっごく、いいプラモ!