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【レビュー】模型店の片隅で、戦友「ビックバイパー」と再会した話

 週末の愉しみに模型店巡りがある。顔なじみの模型店を再訪するのもよいが、時間を見つけて目星を付けた少し遠方の模型店を開拓するのも楽しい。たいてい、その店舗に行かなければ出会うことのなかったであろうプラモデルたちが、静かにそこで待っているものだ。

 その日もまた新たに訪れた模型店の店内を巡っていた。棚の下の方に積まれたプラモデルの一つに目が留まる。「何か見覚えがあるような…」 それがPLUMのビックバイパーver. グラディウスⅤだった。


 グラディウスⅤ。プレステ2の専用ソフトとして世に送り出されたコナミの名作STG「グラディウス」最後のナンバリングタイトル。その主人公機が、この超時空戦闘機・ビックバイパーだ。私もグラディウスⅤには大いにはまって、当時ビックバイパーを愛機に宇宙を何百回と飛ぶ日々を過ごした。

 このプラモデルを見つけたとき、正直に言うと「懐かしい」より先に「なぜここにビックバイパーが?!」という驚きが来た。その感覚はグラディウスVのイベントシーンで、もう1機のビックバイパーがワープアウトしてきたのを初めて見たときの驚きに近い。まさか「戦友」とこんな形で再会するなんて。

 箱を開けランナーを確認し、説明書を広げる。パーツに彫り込まれた細やかなモールドを見ると、SFメカのディテールはこうでなくてはと思う。説明書にもこのパネルラインはびっしりと描き込まれており、PLUMのこだわりが伝わってくる。

 そして、このキットの組立ては「パイロットフィギュアをコクピットに収める」という意表を突いたところから始まる。それはさながら、ゲームの世界がプレイヤーを中心に成立していることを主張しているようだ。PLUMのこだわりはこれだけではない。普通は塗り分けで表現するキャノピーも贅沢に3分割で構成され、機体各所に付くライト部分も極小のクリアパーツをはめ込む設計になっている。

 組立作業も前半戦を終え、出来上がったボディを見ていると、さながら毒蛇(バイパー)の鎌首のように見えてくる。後半に入るといくつか接着剤を使って慎重に進める箇所が出てくる。だけど今度は、ゲームのようにラッシュを仕掛けてくるボスはいない。ボディに翼とカノン砲を取り付ければ、いよいよビックバイパーが眼前に降臨し全面クリアだ。

 かつては画面の向こうにいたビックバイパーと20年の時を超え、形を変えて再び出会った。コントローラーを操作していた手はニッパーを握る手に変わったが、模型店の棚からワープアウトしてきた戦友は、あっという間に私に当時の興奮を思い出させてくれた。


 さあ、探しに出掛けよう。街の模型屋へ、ネットの森へ。きっとあなたにも必ず、自分が過ごしたあの時代の、匂い立つような感覚を蘇らせてくれるキットがあるはずだ。

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tomのプロフィール

tom

1975年生まれ。銀座で昼の商売やってます。説明書どおりに作れません。

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