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国境を越えてもプラモデルを楽しむ/初めて海外のホビーショップへ行ってみた話。

 SNSなどで模型店の写真に「お薬もらいに来ました」とか「病院に来ました」と投稿する人がいるが割と冗談でもないかな、と最近私は思っている。特に精神的に辛い状況にあるときには、その冗談が現実になる。私もカナダでの初めての海外滞在中に、そんな感覚を味わった。

 現地に到着後、特に目的もなく語学学校に通いだして一週間ほど。「新天地では模型を作るスペースも無さそう」などと思い、ついでに「我が模型人生も卒業か」などと単純に考えていたが、すでに私は強烈なプラモデル禁断症状に苛まれていた。そこでたまにはインターネットの情報を信じてみようと思い、グーグルマップを駆使し近所のホビーショップでプラモという薬を全身に浴びることにしたのだった。

 なんとか見つけた「Imperial Hobby」という模型店はバンクーバー国際空港近くに位置し、飛行機の騒音が賑やかな立地をしている。文字通り国際空港のすぐ目の間にあるのだ。レビューを見る限るおそらくローカルな模型店なのだろう。

 店の外には「Imperial Hobby」のロゴが。カナダへ来て初めての模型店で緊張と高揚で胸を躍らせながら入店。とりあえず入口の近くにいた店員らしき人に可能な限りの愛想笑いと共に「hello~」とあいさつ。店内に足を踏み入れると、「これは大当たりかもしれない」と思わず感じた。ワンフロアだが天井も高くかなり広い。入口の棚には入荷した新商品が多く並べられている。

 さらにお店の奥へ行くとボードゲームに興じるお客さんたちがいて、賑やかな雰囲気が漂っていた。見たこともない商品もある。だがそれ以上に棚いっぱいにプラモデルが、塗料が、ツールが日本と同様に陳列されていた。異国の地でも模型店の空気感は変わらない。それだけの安心感が沁み、大変心地よかった。

 ハセガワ、アオシマのプラモデル、塗料やツール、ガンプラまで日本の模型店とほぼ同じ。しかしホビーショップというだけあってボードゲームやアメコミ、ウォーハンマー、トレカまで並んでいる。少し大人向けのおもちゃ屋さんといったところだろう。昔よく通っていたTamTamを思い出す。

 何を買おうか迷いながらプラモデルの箱を手に取る。そして何気なく値段を見て唖然、タミヤの1/35のT-55Aが65カナダドルだった。日本円にして大体7000円前後。タミヤでこの価格は覚悟のいる価格だ。後に判明したことだが、カナダでは日本のプラモデルは4~5割増しの価格が一般的だという。塗料もMr.colorがひとつ3.5ドル。国産メーカーが多いことによるメリットをこんなところで感じてしまった。さすがに価格は国境を超えると変わる。私は覚悟と薬を決めることにした。

 結局なけなしの現金を握りしめて、トランペッターのハスキー装甲車を購入した。35カナダドル。低価格は正義。異国の地でも模型があればなんとかなるという気持ちを抱きながら、私は久しぶりのプラモデルを手に満足げに家路についた。

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