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【レビュー】ひと目で味わう「機構としての足回り」/1:72 ポーランド TKD 47mm砲搭載自走砲を作る

 「組み立てたいけれど、早く完成させたい」という時がある。
 ならば単にパーツ数が少なければ満足できるかというと、どうやらそういうわけでもない。ある程度の精密感が欲しいし、細かい作業も楽しみたい。自分の模型への欲求はいつもわがままだ。そんな気分のときに最適なのが、1/72スケールの小さな戦車だと気づいた。

 このスケールになると、転輪や履帯といった足回りは、まるで機械式時計の精密な歯車を眺めているような気持ちになってきて、気分が良くなってくる。一つひとつのパーツを個別に眺めるというよりは、全体の「機構を見る」といった面白さがあり、1/35スケールで大きな転輪を黙々と作っていく感覚とは違ってくる。

 今回選んだFTFの「1/72 ポーランド TKD 47mm砲搭載自走砲」は、戦闘室の屋根がないオープントップと呼ばれるタイプの車輌だ。中身の様子が外から窺えるのが魅力で、キットのパーツ自体も非常にシャキッとしている。
 内装は椅子が床面と一体成型されていて楽な部分もあるが、一方でこのスケールにしては驚くほど細いハンドルを取り付けるような、繊細な作業もある。細かな工作を求められつつも、それがすぐに終わるという快感のバランスが実に程よい。

 ただ、組み立てにはいくつか気をつけた方がいい部分もある。まず、あまりに細かなパーツが多いため、油断するとランナーから切り離した瞬間にどこかへ飛んでいってしまう。私自身、危うくパーツを見失うところだった。

 また、戦闘室を構成する装甲の組み立てにも少し頭を使う。説明書通りに車体へ一枚ずつ貼っていくよりも、あらかじめ装甲パーツだけを「ロの字」に組んで箱にしてしまう方が良かった。先に装甲を箱状に組んでしまえば、車体にはめ込むための左右の突起は切り飛ばしてしまっても問題ない。後部の位置を合わせれば自ずと全体の辻褄が合う。

 そうして完成した姿を眺めて気づいたのだが、これだけ小さな車体であっても、砲口にしっかりと穴が開いているだけで模型としての精密感が一気に引き立つ。手軽さと手応えが綺麗に同居した、良いキットだと思う。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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