ハセガワの新規金型で完全リファインされたAE92レビン/トレノ。前回はシャーシ、下回りについてまとめて話をしたが、今回は『トヨタ スプリンター トレノ AE92 GT-Z 後期型』、通称『92(キューニー)トレノ』に的を絞って紹介していきたい。まず目を引くリトラクタブル・ヘッドライト。AE86から継承されるトレノらしさの象徴なのだが、法規制などによってこの世代が最後の採用となる。キットでは完成後も開閉できる可動仕様なのが嬉しい。リトラを上げるとボンネットのエアインテークと合わせて盛り盛りとなり、「足し算こそ正義」というバブルの時代性を感じて景気が良い。他の自動車メーカーも含めてこういうコッテリ濃厚なノリは絶滅したので、昭和終盤の様式美を味わえる機会ともなった。
オプション設定だったというサンルーフを再現しているのもこのキットの特徴だ。サンバイザーの間にルーフの開閉スイッチ兼マップランプが用意されており、キットではそのパネルが再現されていた。1/24スケールのカーモデルにおいて室内、特にルーフ、ピラーの再現は省略されがちだ。ウィンドウパーツの貼りしろの兼ね合いもあるし、外観から視認しにくいので最善手だとは思う。でも、それでも。と、このパネルの再現を譲らなかったハセガワ。このクルマのオーナーだった方は特に嬉しいだろうな。自分が触れていたものがパーツになって刻まれているのは。

前回、シャーシの時にも「実車の部品構成にならってパーツの分割が成されている」と話したが、このアルミホイールのセンターキャップもまさにそれだ。一体パーツで難なく成形できるだろうに、わざわざの別体化。その拘りに思わずニッコリしてしまった。つや消しメッキ仕上げで上質な雰囲気になっているのも良い。

前後のバンパーにはじまり、サイドやリヤのスポイラーなども実車に準じた分割となっている。サイドモールまで別パーツ化されているのは前述のセンターキャップと同じく「実車もここ、別部品ですからね!」という強い意思なのか、とにかく実車を模することに余念がない。

シャーシがテンポ良く組み上がるので、その勢いのままボディを仕上げてゴールしたくなった。ボディの白いプラ成形色を活かすのを基本として、ウィンドモールなどに水性ホビーマーカーの部分塗りを施した。モールはマーカーの腹でなぞっていくと均一な線を引いていけるのでオススメ。その他、リトラのライトユニット、フロントスポイラーの開口部の奥、ボンネットのエアインテークの内部を説明書の指示通りに黒く塗りつぶしておくと、白いプラモデルが途端にリアル感が高まるのでオススメの一手だ。

前後の灯火類を再現したクリアとメッキのパーツの組み合わせ、実車さながらの雰囲気となるのでこれまた良い。リアのコンビネーションランプは赤と橙のマッキーで塗り分けるだけでも充分な見た目となるが、実車の意匠を再現すべく説明書の指示通りにストップランプ、ウィンカーの明暗をつけるのに挑戦しても良いだろう。

リアのコンビ用にマスキングテープが用意されているので、マスクしてスモークを吹き付けると実車どおりのコントラストとなってリアルが爆発する。バックランプ用のマスキングも用意されているので、それを用いればバックランプの存在感もとんでもなく高まる。裏打ちされたメッキパーツが大変効果的なのだ。

プラスチックの色を活かした部分塗りだけでも、大満足な92トレノを手にすることが出来た。室内のシートとハンドルが白いプラスチックまんまであるが大して気にならない。シャーシとボディを組みきり、部分塗りを施し、水転写デカール貼ったら水性プレミアムトップコート[光沢]を吹いてと、2~3晩でゴールできた。そのライトウェイトな工程も大変好印象となったハセガワの92トレノ。個人的にハセガワのカーモデルへのイメージがガラッと変わったと言って良いほどのナイスキットだった。92レビンの方は塗装も楽しんでみようかと。

86トレノが神格化される現在ではあるが、実は92の方が販売台数としては各段に多かったりする。なので「お、92(キューニー)じゃん」と当時を思い返す方も少なくないはず。この機会にカーモデルをぜひ。ハセガワの新生92で良い時間を過ごせるはず!