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【レビュー】「ホンモノ」が町中にあふれるプラモデル/1:12 LOOP 電動キックボード

 LOOPについてみなさんがどんな印象を持っているかはさておき、LOOPのプラモデルはアクションフィギュアや人型のプラモデルと組み合わせるのにだいぶ好適なメカだと思います。ユニオンクリエイティブから発売された1/12スケールのこのキット、箱を開けたら「普通にバイクの模型じゃん」というけっこうスパルタンな内容で驚きました。

 3色のプラスチックパーツに前後タイヤは軟質樹脂、そして水転写デカールという構成。リアタイヤとフォークをメインフレームで挟み込む設計はもちろん、フェンダーやハンドルの造形、分割についてもほとんどバイク模型と言っていい内容。ジオメトリこそオートバイとは違いますが、トポロジーというか基本的な仕組みは自動二輪車なんだなぁと改めて気付かされます。パーツ形状もかなり実物に忠実で見ていて飽きません。

 説明書は白黒印刷のペライチで、完成までに6つの工程が示されています。「接着するとしっかり組めるよ」と書いてありますが、接着剤無しで組み上げるのは正直かなり難しい。さらにパーツがかなり細かいうえに前後左右の区別がつきづらいものが多い印象です。「ホイールの向きに注意!」と言われてもなにが正解なのか図示されているとは言い難く、仮組みしながら正しいと思われる向きを探り探り組んでいくことになります。

 このほかにもフェンダーやタイヤ、スマホホルダーの向きなど、直感的に分かりづらいところはたくさん。しかしLOOPの面白いところはホンモノが町中にたくさんあることです。わからんところは実物を見れば一目瞭然です。今回はインターネットで実車の写真を探しながら組みましたが、完成してから実物を持って答え合わせに行きました。

 リアの左右にある長円の赤いリフレクターはデカールが用意されているのですが、それよりもっと目立つストップランプや後方を向いた長方形のリフレクター、そして円弧を描いたクリアーレッドの部分(ここが光るのかなんなのかいくら調べても出てこないし、そもそも光ってるの見たこと無い気がする)は再現されていません。なんなら白い樹脂のカタマリだったりして、「実物どおり」を目指すなら塗装することになります。

 フロントフォークも黒い部分が白の樹脂パーツだったりリフレクターが黒い樹脂だったり、ハンドル周りのすげえ細かい表記は全部デカールで再現されるけど銘板はただのディテールだったりと、「チカラの入っているところとそうでないところの取捨選択」がややチグハグな印象。あくまでライトなプラモデルなんだからそれでいい……とはとても言えない組み心地(=形状再現には結構なカロリーが投入されている)ゆえに、なんだかむず痒さが残ります。

 繰り返しますが、形状は細部に至るまでかなり実物に忠実です。細部の色を気にせず小道具として使うユーザーも多い商品だとは思いますが、逆に「色分けや細部の質感表現に手を入れる余地がけっこうある」と考えると、このプラモデルはじつのところベテランモデラーほど楽しめるアイテムなのかもしれません。LOOPという字面からイメージされるお手軽さとは裏腹に、突き詰め甲斐のあるプラモデルだと感じました。そんじゃまた。

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からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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