
アオシマの1/32スケールカーモデル、楽プラ スナップキットシリーズの快進撃が止まりませんね。面白いキットがバンバン発売されていて、しかも楽プラなのでじゃんじゃん組めてしまう。最初はどれもこれも同じような組み味で車種が違うだけだもんね〜と思っていたけど、シリーズを重ねるごとに車種の幅が広がり、キットとしての組み立てを決して難しくすることなく、分割や付属のシールの表現力でそれぞれの味わいを変えていることに気が付きます。たとえば最近発売されたシルエイティなんて、前後の窓ガラスを不思議な分割で再現してます。1/24のカーモデルではまず見られない、リアウィンドウの左右枠(Cピラー)をシールで表現するからこその思い切ったパーツです。楽しいなぁ。

ホイホイ組んで最終盤、マジでビビったのがこのシールですよ。楽プラシリーズって当初はクリアーパーツの下にホイルシール(銀紙に印刷されたシール)を貼ることでブレーキランプやウインカーを表現していたんですけど、やっぱりクリアーパーツの奥の方にシールがあると「分厚いガラスの内側にぼんやり色があるな〜」という見え方になってしまいます。かと言って色付きのクリアーパーツはコストがかかる。そこで『頭文字D』に登場する車種では車体に貼るロゴシールを透明なビニール製のものにして、ついでにそこにリアコンビネーションランプの色も印刷しちゃおう、と判断したわけよ。

ボディのリフレクターに当たる部分にホイルシール貼ってからクリアーパーツを重ね、その上からクリアーのシールを貼ると……めちゃくちゃリアルじゃないですか。これを自分で塗り分けろって言われたらまずクリアーレッドとクリアーイエローの塗料を用意して塗り分けラインをマスクして、ついでに後退灯のところは塗り残して……みたいなことを要求されるわけですが、「180SX」のロゴも含めてシール1枚でじゃじゃんと再現。細い黒の線も塗装でなんとかしろって言われたら困っちゃうもんな。

涼介のFCなんかもっとすごいんですよ。ボディにちゃんとリフレクターの丸い凹みが彫刻してあって、ここにホイルシールをグリグリなじませてからクリアーパーツをはめ込んでシールを貼ると……これまたとんでもない立体感。繊細な白ラインも相まって、これ人力ではほぼ再現不能と言って良いリアリティが出ています。もうひとつ、これまでなかった「エキゾーストの中に黒い丸シールを貼って穴が空いているように見せる」というワンポイントももめっちゃ効果的。メッキパーツだと気になるもんなココ。

『頭文字D』シリーズではないインテグラ タイプRにも同じ手法が取り入れられていて、こちらはメッキパーツにクリアーパーツ重ねてシールでフィニッシュというゴージャスな内容。

立体感、色再現、超細い黒ラインがめちゃくちゃリアルで、これを見た友達もみんな「これシールなの!?」とびっくりしていました。当然ながらホイルシールと透明樹脂のシールを両方入れるとコストは嵩むでしょうし、繊細な輪郭線を等幅でキチッと残すにはカットラインの調整もかなり厳密にやらなきゃいけないから製造大変だと思うんですよね。でも「こっちのほうがいいでしょ!」とアオシマは頑張っている。エラい!

この手法、別に楽プラの特権にせず既存の1/24のカーモデルでも「色付きボディにシールでコンビネーションランプを再現」という仕様を取り入れれば広いスキルレベルの人に受け入れられそうな気がするんですよね。もちろん1/24スケールで色付きクリアーパーツを同梱したキットもあるにはあるんですが、ちょっと古いキットも気軽に組めるようになったらアオシマの多くの金型がふたたび輝き始めるんじゃないか、と私は思うのです。とにかくこのシール体験はすごいので皆さん絶対買って驚いたほうがいいっすよ。そんじゃまた。