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【レビュー】楽プラだけじゃないんだぜ/「ザ☆モデルカー」に光るアオシマの職人技をGRS204 クラウン アスリートに見る!

 メッキパーツ越しのリアコンビネーションランプの説得力である。ボディやクリアーパーツを指紋や接着剤で汚さないよう慎重に組み上げた甲斐があった……と静かにライジングした。アオシマの『GRS204 クラウン アスリート ’08/’10』は現在注目の的である「楽プラ」ではなく「ザ☆モデルカー」という1/24スケールのカーモデルにおけるスタンダードなラインナップの新作アイテムだ。

 自分はこのシリーズを初めて手にしたのだが、プラスチックの色がボディの白、シャシの黒、インテリアのグレー、ヘッドライトやコンビランプを構成するクリアーパーツにメッキパーツと、思っていたより彩り豊富だったのが、まず箱を開けて嬉しかったポイント。

 アオシマの200系クラウンは異常ともいえる量のバリエーションキットが発売されており、本キットはカタログモデル仕様……つまりどノーマルが組める仕様となっている。VIPエアロで鬼キャン仕様の「ザ☆チューンドカー」ともパーツを共有しているせいか、車高を標準にするためサスペンションメンバーにスペーサーをかませたり、トヨタ純正のサイドステップやリヤバンパースポイラーを貼っていったりと、新車購入時のフルノーマルに戻すような工程も見られ、すごく新鮮に感じた。このまま車買取の査定に出したい気分である(改造車の買取価格は低くなりがち)。

 組み立てには流し込み接着剤の他に、メッキパーツとメッシュの貼り付けに瞬間接着剤と硬化促進剤が重宝した。足回りのパーツ構成とメッキパーツの貼り付けには難しさを感じたが「パーツが合わない」といった嫌らしさはなかった。フロントバンパーにグリルも付属させて一体パーツとし、前期/後期のコンパチを選択させるのは大変スマートだった。バンパーを引っ掛けるフックがボディ側に設けられており、接着する前にそれなりにフィットするので、両者をいったん付け替えて検討できる点にも感心した。

 下写真の上側に見えているのが前期のホイール。下が後期のホイールだ。モデルの前期/後期のパーツ形状の違いをしっかり見つめられるのがこのキットの魅力のひとつ。トヨタ車に限らず近年のクルマはマイナーチェンジで「顔つき(ライト、グリル、バンパー)」「おしり(リヤコンビ、バンパー)」「足回り(ホイール)」のデザイン変更をし、外観を更新することが通例となっている。ただ、その差異はわずかでしかない。なので実車を前にしても前期/後期を判別できる人はごくわずかだ……とはいえ、それでもそんな地味なポイントをしっかり拾い上げるアオシマにはクルマ模型への矜持みたいなものを感じてしまう。

 ちなみに、このキットは13代目クラウン(’08/’10)のアスリートなのだが、少し前に同モデルのロイヤルサルーンも発売されている。バリエーションやボックス替えといった手法も盛んで、近いところでは8代目(’89)と14代目(‘12/’15)に続いて12代目(’03)の発売も予定されている。それぞれ前期/後期のコンパチキットであるうえ、マジェスタ、アリストという同系譜も別途キット化されるとあって、クラウンという車種においては平成時代のモデルの網羅っぷりがとんでもないことになっているのだ。まるでアオシマが平成クラウンの標本をつくる勢いだ。いや、需要あっての供給なのか……。

 「ザ☆モデルカー」のシリーズに触れてアオシマの堅実さ、ストイックさを感じ取れた気がする。フラッグシップモデルだったり、レーシングカーやカスタムカーの様にキャラクター性は薄く、「友達のお父さんが乗っていたクルマ」くらいの大衆車を中心としたライナップだ。このクラウンアスリートにしてもケレン味がある内容でもないので「実車に対する忠実さ」が際立っている様に感じる。

 ひとつの屹立したモデルに対する精巧さよりも、多彩な年式やカスタムのありかたに対する忠実さ。それを再現するうえでの必要最低限の構成。「楽プラ」の様な技術的挑戦とは逆ベクトルの、突飛なことはいっさい行わない淡々とした職人技みたいものが光って見えた。途端に「ザ☆モデルカー」でアオシマが何を行っているかが、急に気になりだした今回だった。次は父の乗っていたタウンエース ノアでも触ってみようかな。

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