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【レビュー】母国の老舗がプラモに込めたメッセージ。1/48スピットファイアで味わう「芯」のある組みごたえ

 スピットファイアはイギリスを代表する戦闘機ということもあり、世界中のメーカーが競うようにキット化してきた飛行機模型業界で最も人気のあるモチーフのひとつです。そんな数多のキットの中で母国イギリスの老舗メーカーであるエアフィックスが2014年に新金型として発表した1/48のスピットファイア Mk.Vbは「芯のある」キットでした。

 実機のスピットファイアは主翼内に前後2本の桁を備えており、前側の前桁(メイン・スパー)に主脚が装着される構造になってます。この桁は単に主翼の形状を保ち自重を支えるだけでなく、飛行時の揚力や空戦時の強烈なG、着陸時の衝撃を受け止める極めて重要な構造体です。胴体はモノコック構造で軽量化された機体にあってもここだけは強固な骨格が必要とされた、まさに機体の横方向を支える「芯」です。

 この桁は実機の芯であると同時にキットの芯にもなります。キットでは限定的な範囲ながらこの前桁とその後ろの縦通材(ストリンガー)をパーツ化しており、組み立ての際この頑丈な桁が主翼の左右をしっかりと貫通・保持するため、スピットファイアのシルエットを特徴づける上反角(翼の反り上がり)が狂いなく正確に決まります。完成後の剛性も非常に高くなり、主翼を持っても接合面からパキッ!っと割れる心配もありません。

 特筆すべきなのは桁に主脚を挿入する基部のフランジ(接合部)まで精密に再現されている点で、メーカーもここに力を入れていることがわかります。最後に胴体に主翼を取り付ければ胴体側のベロが桁にかみ合い、機体の縦横のアライメントがビシッと決まります。

 また、本キットでは水平尾翼のエレベーター(昇降舵)も左右一体のパーツとして成型されています。ここも実機がそうなっているから、ということと同時に意外と難しい左右の尾翼の角度を水平に揃えることを可能にしています。

 どちらも外観には直接は影響しない要素ですが、誰にでも間違えずにスピットファイアのシルエットを楽しんでほしいというエアフィックスからのメッセージ、あるいは美学に感じました。たくさんのキットがある中で母国イギリスのメーカーだからこそたどり着いた文字通り「芯のある」スピットファイア。皆様もぜひ、この芯のある組みごたえを味わってください。

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Branz01

静岡県出身・大阪府在住の1985年生まれ。本業はマシーンの研究開発で模型は心の栄養です。

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