
「好きだから置いている」という時期はとうに過ぎ、「気づいたらある」という段階にまで達したものがある。それはハセガワのマシーネンクリーガー 1/35 プラウラーを木材にくっつけたもの。裏面に磁石を取り付けて、ドアや冷蔵庫に貼れるようになっている。引っ越しの際にあまたのプラモデルと別れを告げたが、最後の最後の最後、玄関ドアの上に貼られたプラウラーは「あ、持ってくの忘れてた」という独り言とともに私の手に握られて、新居へ移動することになった。

どの部屋に住もうと完成品を置くスペースが限られていて、棚一杯になると作らなくなったり、プラモ以外のものを処分するなどして、私はプラモデルを置く空間を確保しようとする。しかし、どうやってもすべての完成品を保持し続けることはできなかった。
改めて考えると、ドアに貼られたプラウラーは「プラモデルの完成品」という枠を飛び出て、インテリアの領域に達したのだろうと思う。それかもっと違う存在に。気がついたら4年くらい部屋にいるので、私のプラモデル人生の大半を一緒に過ごしていることになるわけだが。

新しい部屋は窓を開けると空気の流れの兼ね合いで開け放ったドアが自然と閉まってしまう箇所がある。ドアストッパーを買おうかと思うもいつも忘れてしまう。なので、その辺にあるものを適当に置いている。それはシェービングクリームの缶の日もあれば、ペットボトルの日もあって、ゴミ箱の日もあるといった具合で、それくらい軽いものでもドアを押さえられるくらいの、空気のいたずらだ。
先日、木材をパッと手にとってドアストッパーに使ったのだけど、そこに乗せたプラモデルは長生きするだろうか……と考え始めた。さっそく手元にあるウォーハンマーの「ヴァンサールギャング」を組み立てて上に乗せてみると、ディテールが醸し出すプラモデルとしての個性も相まっていい感じだ。

ウォーハンマーのプラモデルについて目が行くのは造形の細かさや組み立ての面白さばかりだったが、見かたを変えると、ゲーム中に持ったり置いたりするうえで破損しないようにある程度の太さが保たれているようだ。もちろん見た目とのバランスにはなるが、このヴァンサールギャングに関していえば、中央から垂れ下がっている帯のようなパーツはもっと薄くてもいいはずだ。それでも厚みを持たせて壊れにくい設計になっていることに気が付いた。なんとなく選んだが、ドアストッパーとして頑張ってもらうには十分なスペックがある。
用途を見直すとプラモデルそれぞれの長所が違って現れてくる。九月中の完成を目指しているが、その後いつまで我が家の扉を止めてくれるのか、楽しみだ。