

「これはいつ作るの?」
エクスプラスのアマゾンの半魚人は、部屋に来た人がほぼ必ずそう聞いてくるプラモデルだ。パッケージのインパクトが強いのだろう。箱のまま置いてあるだけで、「中を見ていい?」と聞かれたり何度も進捗を尋ねられたこともある。他のプラモデルを毎週のように作って完成品が並んでいても、なぜかこの怪人のことが話題に上がる。作ってもいないのに、気にされる頻度が高い。興味を引く何かが、箱そのものやそこにある雰囲気に含まれているのだと思う。
なぜこんなに人を惹きつけるのかと考えると、映画や特撮が好きな人にとって、作品に登場するキャラクターが立体になる過程を見られるという点が大きいのではないかと思う。そういう目線で見ると、「これが立体になる」という期待感そのものが楽しみのひとつになっていて、ついつい質問してしまうというのがわかる。
自分はどちらかというと、完成品やモチーフに惹かれて買うというより、プラモデルそのものに関心が向く方だ。なのでアマゾンの半魚人もそんな風に手に入れた。箱を開けてみるとプラスチックの色は緑色で、パーツを眺めていると手触りや形の持つ空気が面白い。スーツに身を包んだ人間の動きを想像させるポーズには柔らかさがあり、組み立てながらその雰囲気を感じることができる。

大きめのパーツを接着していく過程では、腕や脚などのパーツが少しずつ形を持ち始め、バラバラだったものが姿を整えていく様子が素直に楽しい。魚や錨といった付属のパーツも、怪人というキャラクターを印象づける要素として十分に効いている。自分は泳げないので、水中を感じさせるものを見ると肺がキュッと詰まる感じがするのだけど、アマゾンの半魚人もそうさせるくらいには表現が豊かだ。
塗装をしていない状態でも、十分に見応えがある。むしろこれくらいの方が、来た人が「わ、ここまで進んだんだ」と気にしてくれそう。
買ってすぐに作らなかったことで、このキットの存在感がより際立ったのかもしれない。パッケージのまま置いてある時間や途中の姿が、自然と関心を集めるきっかけになっていた。完成するはずのものが完成に向かう途中で止まっている。その状態自体が、日常の中で小さな話題になってくれるのは、なかなか良いものだ。

袋に入っているパーツは、取り出すとパーツ番号がわからなくなるものがいくつかあったので「その日中に作らないとだめか?」と思ったが、間違えるような部品はなく杞憂に終わった。身体に関しては凹凸があるパーツを先に貼り付けてそれを起点に他のパーツを取り付けるようにすると組み立てが簡単なので、作る際は参考にしてほしい。