
まず結論から。ハセガワから発売された「プラモデル用片刃ニッパー【スタンダードタイプ】」は、毎日のプラモデル作りでいちばん大事なパーツカットのをテンポよくこなすためのまさに”基準”となるニッパー。黄色と黒ツートンカラーに彩られた太めグリップは手のひらに面で当たってソフトな感覚だし、戻りバネはかなり軽め。刃厚もかなりあるので神経質に構える必要がなく、切れ味もしっかりと確保されています。

この「尖った特徴のない素直な感じ」はプラモデル専用に設計された片刃ニッパーとしては逆に異質な存在。スコッと切れる片刃独特の感触は細かいパーツの飛び跳ねも抑えてくれるし、手の負担も少なくて済みます。長時間の組み立てでも疲れないし、一定のクオリティで切り続けられるのはもちろん、下の写真のようにパーツに無理な力を掛けながら切るときに発生すがちな白化も最低限に抑えられています。ただし、刃を動かすときはなるべくゆっくりね。

片刃ニッパーの要点は「片側がまな板(受け)で、片側が刃」ということ。受け側にパーツのフチを預けて反対の刃で押し切る構造なので、切断面がキレイに仕上がるのが特徴です。先端には大きめのC面処理が入っているので幅の狭いところに設けられたゲートには向かないのですが、一般的なプラモデルを作るのであれば(そしてアートナイフなどでのゲート処理を適材適所で併用すれば)OK。

高級模型用ニッパーは切削加工された分厚いカシメ部で精度を出し、グリップと刃が一直線になったものがトレンド。本製品では板状のグリップ芯とシンプルな形状のカシメ部をベースに、刃がグリップからやや反り返った角度で、いわゆる「エントリーユーザー向けニッパー」によく見られる形状になっています。このへんは片刃ニッパーとしては珍しい特徴で、片刃ニッパーを初めて手にする人にも馴染みやすいのではないでしょうか。

ハセガワのプラモデル用片刃ニッパー【スタンダードタイプ】は、尖った個性でユーザーを驚かせるタイプではなく、当たり前に良い結果を出すために作られた、標準的なスペックの片刃ニッパーだと言えます。過不足ない性能と、手頃な価格、そしてなにより大手模型メーカーの製品であるがゆえに全国の模型売り場で確実に買える、ということにもっとも大きな意味があります。もしも模型用の片刃ニッパーをひとつ求めたいとアナタが思っているのなら、ぜひこのスタンダードを手にして下さい。とてもいいバランスの一品でございますよ。