プラモデル用片刃ニッパーには左右がある!右利きでも左利きでも「2本持ち」がマストなワケとは!?

 比較的供給が安定していて価格、性能ともに優秀な片刃ニッパーとしてワタクシも愛用している「bonds ヌルッと切れる片刃ニッパー」に”左利き用”が加わりました。「ニッパーに右利き/左利きがあるんですか?」と思う人もいるかもしれませんが、あるんです。そして「オレは右利きだから”左利き用”は関係ないや……」とブラウザを閉じようとしたそこのアナタ!待って!左右両方必要だから!!

>bonds ヌルッと切れる片刃ニッパー

▲これが従来の右利き用のbonds ヌルッと切れる片刃ニッパー。水色のビニール被覆が目印です。
▲こちらが新製品の左利き用。ネックがオレンジなので作業机の上でもパッと見分けが付きます!

 では、なぜニッパーに利き手が関係するのかをざっとおさらいしておきましょう。そもそも「片刃ニッパー」というのはその名の通り、先端の片方にしか刃が付いていません。もう片方は刃を受け止めるための「まな板」なので、厚みが付けられているのが特徴なんです。

▲”右利き用”の片刃ニッパー。向かって奥が刃のついていないまな板(なので分厚く見えますね)。手前には刃がついています。

 上の図を見れば分かるとおり、まな板刃と切刃を合わせたときにほんの少しだけ段差を付けてあるのが片刃ニッパーの特徴。なので、「パーツ表面に刃を沿わせてゲートを切る」のが大原則です。反対に、まな板側をパーツに密着させて切断すると段差のぶんだけゲートが残ってしまい、切り跡が汚くなってしまいます。

 プラモのゲートはだいたいパーツの端っこにくっついているので、上の写真のように手前の刃をパーツ表面に密着させて、パーツの外側で待ち構えているまな板に向かって切断していくとすごくキレイに切ることができます。刃入れがしっかりしていてまな板との合わせの精度が高ければ、パーツの切断痕はほとんど白化せず、ただ切っただけでも仕上がりが良くなるというのが片刃ニッパーの美点ですね。とくにプラスチックの色をそのまま活かして組みたいキャラクターモデルではものすごく有用です。

 どっこい、上のような形状のパーツでゲートを切ろうとすると難儀します。ニッパーの首元とパーツの段差がぶつかってしまうので、パーツに切り刃を密着させることができません。そこで!

 そう、”左利き用”の登場です。利き手のことは一回忘れてください。さっきの”右利き用”とは異なり、奥が刃、手前がまな板になっているのが特徴です。これを右手で持つと……?

 パーツを先ほどとは裏返しに持って、”左利き用”のニッパーを当ててみましょう。ゲートの奥側でパーツと刃を密着させ、手前のまな板で刃を受け止めることができるようになりました。「そんなこといちいち気にして切ります?」と思うかもしれませんが、慣れちゃえばポンポン持ち替えてサクサク切れるようになります。というか、一度覚えてしまうと「片刃ニッパーは左右両方ないと無理だわ……」と思えるようになるから大丈夫!

 もちろん左利きの人が常用することを考えて作られたからこそ”左利き用”なんですが、当然ながら右利きの人が遭遇する「刃が密着しないじゃん」というのは利き手に関係なく、パーツ形状と刃の向きに依存するわけです。上の写真みたいに、左利き用を左利きの人が使っていたとしても……。

 パーツを裏返して”右利き用”を左手で使えばすんなりキレイに切ることができます。

 ”右利き用”とか”左利き用”というのは確かに直感的でわかりやすい商品名なのですが、じつはニッパーでキレイにパーツを切り取ろうというときに利き手がどちらかというのはあまり影響しません。むしろ「片刃ニッパーは刃の向きが決まっていて物理的にキレイに切れない局面がある」というのが超大事。右利きの人も左利きの人も、左右両方買うことでどんなパーツにも対応できるようになるというわけです。

 切れ味、入手性ともに安定してハイレベルな「bonds ヌルッと切れる片刃ニッパー」。狛犬や仁王像のように、ぜひとも左右ワンセットを揃えてプラモ製作に臨んでみてください。「あ、刃の向きでこんなに楽になるんだ!」ということが体感できると、プラモの楽しさも倍増すること間違いなしです!

>bonds ヌルッと切れる片刃ニッパー

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。