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義父のミゼットと手のひらの昭和/マイクロエース 1:32 ダイハツ ミゼット

 僕の義父は旧車や古いバイクが大好きだ。酔うと決まって旧車の素晴らしさや楽しさを延々と語り出す。僕はといえば(そもそも車に)そこまで興味がなく、愛想笑いを浮かべながら「へぇ」と相槌。

 そんな義父の車庫には古い車が2台。その最奥でひっそり鎮座しているのがダイハツ ミゼットだ。三輪という珍しさとちょこんとした可愛らしさに、車に興味がない僕でも「これには乗ってみたい」と思った。そう打ち明けてみたら、「乗ってもあまり面白くないよ」と笑みを浮かべて即拒否。今までの塩対応がここにきて祟ったのかもしれない。

 運転できない現実がミゼットへの想いをむしろ強くする。この想いを安全に昇華させる最善策はやはりプラモ作りだ。いい趣味だね。

 マイクロエース 1/32 オーナーズクラブ ’58 ダイハツ ミゼット。義父のミゼットと同じ型で、いまも気軽に買える素敵なプラモデルだ。平成生まれの僕でも“昭和”を感じるレトロな箱絵と、駄菓子みたいな色のランナー。気泡が見えるクリアパーツに、「グンゼ産業の水性ホビーカラー」と書いてある説明書。「昔のものって趣があっていいな」と、少し義父の気持ちがわかった気がする。今度からは目を見て話を聞こう。

 さて、肝心の車体には割と大きなバリがある。ニッパーでバリバリ(バリだけに)切り取り、デザインナイフとスポンジやすりでちょこちょこ削る。歴戦のモデラーさんなら懐かしいなと思うだろう作業も今のプラモに慣れた身にはこのひと手間が逆に新鮮で楽しい。義父のミゼットを再現するため、各部を筆で塗装。ハンドルは少しベージュに寄ったピンク、ホイールは薄めのクリームイエロー。

 車体はプラスチックの色のままでも良かったが、もう少し柔らかい色が欲しくてグリーンイエロー+ホワイトで調色し、これも筆で塗ることにする。筆目やムラもいいアクセントになり、可愛らしいミゼットが完成した。前輪を挟み込む部品のクリアランスがシビアで、取り付けに少し手こずった以外難しい箇所はなかった。ホイールを塗装した場合はマスキングテープなどで養生する事を推奨する。

 完成品をすでに一杯やっている義父に見せてみると、手のひらに乗せてみたり荷台を摘んで眺めてみたりなんか楽しそう。すかさず「本物乗ってみたいなぁ…なんて」と切り出した自分に対して満足そうな笑顔とともに返ってきた返事は「乗っても面白くないよ」のひとことだった。

ダチョウのプロフィール

ダチョウ

1990年生まれ
プラモは基本パケ買い。テーブル隅っこのワークステーションが作業場。主に水性塗料でプラモ楽しんでます。

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