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「幌が緑色のプラスチック」なだけでドラマチック/オーナーズクラブ ’58 マツダ K360 幌つき(昭和33年)

▲戦後日本の情景には欠かせない3輪トラック。オーナーズクラブでも愛されている車種です

 箱を開けた瞬間、白いプラスチックの中にひときわ目立つ「緑のプラスチックの塊」が目に飛び込んできた。ひと目で「幌」とわかる造形(幌つきって書いてあるプラモを買ったわけだしね)に、トラックの幌と言えば「緑」という現在の街でもよく見る印象が合体! ここだけ差別化して、特別感を出しているなんて憎いぜ。

▲なんとな〜くなシワの雰囲気、こういう心の余裕がある造形大好きです
▲車体パーツに乗せるだけで「2色」の車に! これで間も無く完成だね!!

 オーナーズクラブは1/32スケールという手のひらに収まるサイズに、ノスタルジー全開な車種からネオクラシックな車種の車をラインナップしているシリーズ。シリーズ自体も一昔前のプラモなので、各部の造形やパーツ精度はちょっとだけ難ありなものがあるが、箱のデザインと中のパーツの佇まいは、このシリーズにしかない魅力がある。その中でもこの「マツダ K360」や「ダイハツ ミゼット」のような3輪トラックは、とても風情があるプラモで、多くの人から愛されている。

▲本体やインテリアのパーツはこれしかない! 40分で組み上がるぜ

 ちょっと古いプラモなので、パーツにはバリ(金型同士が合わさった時にできた微妙な隙間にプラが流れてしまって、羽付餃子の羽もしくは鯛焼きの端っこみたいなものができること)がみられるが、デザインナイフで削いでちょっとヤスリをかけてやるだけで、その車らしいプラモのパーツになってくれる。組み立て自体は簡単なので、大体の車が1時間もしないうちに形にもなる。

▲タイヤのパーツが黒いのも最高。白・緑の本体の足元を締める黒があることで、完全に自動車の完成品になる。また本体とシャシーは組んだ後も外せるので、塗装もしやすい

 僕の視線を奪った「緑の幌」、そしてタイヤの黒のおかげで組み立てただけでテンションが上がる姿になった。街でよく見るトラックの配色にそっくりじゃないか。組み立て後の時間と視線を楽しませてくれる模型ってのは、やっぱり良い。この状態を見ながら次にやってみたい塗装やディスプレイ方法を妄想している時間はとっても楽しいのだ。

 まさにオーナー気分。オーナーズクラブの魂は、実はこういった細部のちょっとした色に宿っているのかもしれない。こんな幌のようなパーツが入っているなら、オーナーズクラブの他のプラモもどんどん開けたくなってくる。また車模型の棚を見る楽しみができた1日だった。

▲幌が開いているのも最高。お好きなものをジャンジャン積んじゃおう。スケールの近い1/35のキットから持ってきたら絶対に楽しい
▲幌の中を山盛りにしたくなるノスタルジーギャグが封印されたデカール
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フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。

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