箱を開けた瞬間、白いプラスチックの中にひときわ目立つ「緑のプラスチックの塊」が目に飛び込んできた。ひと目で「幌」とわかる造形(幌つきって書いてあるプラモを買ったわけだしね)に、トラックの幌と言えば「緑」という現在の街でもよく見る印象が合体! ここだけ差別化して、特別感を出しているなんて憎いぜ。
オーナーズクラブは1/32スケールという手のひらに収まるサイズに、ノスタルジー全開な車種からネオクラシックな車種の車をラインナップしているシリーズ。シリーズ自体も一昔前のプラモなので、各部の造形やパーツ精度はちょっとだけ難ありなものがあるが、箱のデザインと中のパーツの佇まいは、このシリーズにしかない魅力がある。その中でもこの「マツダ K360」や「ダイハツ ミゼット」のような3輪トラックは、とても風情があるプラモで、多くの人から愛されている。
ちょっと古いプラモなので、パーツにはバリ(金型同士が合わさった時にできた微妙な隙間にプラが流れてしまって、羽付餃子の羽もしくは鯛焼きの端っこみたいなものができること)がみられるが、デザインナイフで削いでちょっとヤスリをかけてやるだけで、その車らしいプラモのパーツになってくれる。組み立て自体は簡単なので、大体の車が1時間もしないうちに形にもなる。
僕の視線を奪った「緑の幌」、そしてタイヤの黒のおかげで組み立てただけでテンションが上がる姿になった。街でよく見るトラックの配色にそっくりじゃないか。組み立て後の時間と視線を楽しませてくれる模型ってのは、やっぱり良い。この状態を見ながら次にやってみたい塗装やディスプレイ方法を妄想している時間はとっても楽しいのだ。
まさにオーナー気分。オーナーズクラブの魂は、実はこういった細部のちょっとした色に宿っているのかもしれない。こんな幌のようなパーツが入っているなら、オーナーズクラブの他のプラモもどんどん開けたくなってくる。また車模型の棚を見る楽しみができた1日だった。