

恥ずかしながら組んだことがなかったんです。ハセガワの1/72 VF-11を。6月末に発売された「VF-11B サンダーボルト w/ロケットブースター “マクロスプラス”」は2011年発売のVF-11Bに新規パーツとなるロケットブースターを追加したキットなんですが、これを楽しむ前にまずベースとなったキットがマクロスプラモデルの歴史のなかでもかなり重要なポジションにあるんじゃないかと思ったんですよね。
ハセガワのマクロスプラモデル史って2000年のVF-1Aから始まるわけですが、これは実在する飛行機の模型に近い手触りでファイター形態を組めるということそのものがエポックでした。そのかわり、完成見本と同じように仕上げるとなると組み立てと塗装を行ったり来たりする……という意味ではそれなりに経験値を必要とするストロングスタイルな模型だと感じます。

その後ハセガワはVF-19、YF-21、VF-0、SV-51……と歴代マクロスシリーズのファイターたちをプラモデル化し、機体の航空機的な表現を研ぎ澄ましながら「組みやすさ/塗りやすさ」も少しずつ向上させていきます。VF-11も当然その流れを組んでいるのですが、パーツ数の削減や塗装と組み立ての手順に対する配慮がとにかく素晴らしい。詳細に再現したいコクピット、ランディングギアやノズル周りはある程度こまかなパーツでしっかりと飛行機模型らしさを演出しつつ、胴体のシルエットはズバッとシンプルな分割でまとめています。

とくに感動したのは各部のモジュール化。機首、胴体、インテーク、エンジンブロックといったユニットをそれぞれ組み立て、塗装してから結合できる設計になっています。これらのユニット同士をがっちり結合させるときに接着剤を流し込みやすい構造になっているのがまたよろしい。サクサク組めるマックスファクトリーのVF-1(2022年発売)のずっと前に、こんな設計が実現して世の中の人に楽しまれていたのね……。

適切なユニット構造や、塗り分けラインを意識したパーツが要所にあることで組み立てと塗装の工程が一直線に見える……という効果はもちろん、それぞれ微妙な角度で生えている尾翼の角度なんかもミゾに板を差し込む構造になっているなど「キャラクターモデルの作法を少しずつ取り入れながら進化した(でも接着剤でパーツを貼る楽しみが存分に味わえる)」名キットになっていることに驚嘆しました。

メインを張る機体じゃないから……みたいなイメージでなんとなく敬遠していたVF-11のプラモデル。ハセガワはこのアイテムと前後して1/48スケールにもマクロス世界を拡張し、さらに多様な可変戦闘機たちを立体化し続けてきました。そんな歴史を振り返るときに、最初のVF-1と同じくらい重要なポジションに位置するのがこのVF-11なのではないかと私は思うわけです。クリアーパーツの扱いやデカールのハードさは少々感じるところではありますが、しかしそれを補って余りある魅力にあふれたVF-11、ぜひとも組んでくださいまし。そんじゃまた。