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【レビュー】プラモデル塗装の新たな味方、Mr.カラーの新ライン「GGX」の性能を知ろう!/LG1 ホワイト編

 先日開催された全日本模型ホビーショーでデモンストレーションされていたMr.カラーの新ライン、GGX(ダブルジーエックス)をごっそり買ってきたので使い始めました。本記事執筆時点ではLG1 ホワイト、LG2 ブラック、LG112 クリアー UVカット、LG113 つや消しクリアー UVカットの4種とこれらに対応するべく専用設計されたT204 薄め液、T217 ラピッド薄め液が発売されています。結論から言いますが、これまでMr.カラーを使っていたみなさんは手持ちの塗料にGGXシリーズを追加することを強くオススメします。

 GGXは17年前に発売された「Mr.カラー GX」(容量が通常の塗料よりも多く、発色性能が向上したライン)を凌駕する性能を目指して開発された塗料です。何がどう違い、どんなメリットがあり、これまでのいわゆるラッカー系塗料とどんな互換性があるのかについてはGSIクレオス ホビー部のポストがいちばんよくまとまっているのでまずはこれを貼っておきます。よく読みましょう。

 GGXの大きな性能的進歩を上記のポストから引用すると「発色、隠蔽力、平滑度が向上」「基本溶剤を今後起こり得る溶剤規制に対応できるものに変更。臭気が低減」のふたつに集約されます。
 「発色」というのは狙い通りの鮮やかさ、明るさ、色味が性能として発揮されること。隠蔽力というのは下地を覆い隠す力、そして平滑度は塗料そのものが自ら面の上で均一に広がり、滑らかな表面を形成する度合いを指します。従来の塗料でもさまざまな努力によってこれらの性能向上は図られてきましたが、今回それを可能にしている大きな要素として「新しい溶剤を開発したこと」にあります。

 現在、プラモデル用の塗料において有機溶剤の規制が世界でいちばんユルいのは間違いなく日本です。諸外国ではプラモデル用塗料やうすめ液に含まれる有機溶剤の成分に厳しい基準が設けられており、有機溶剤そのものを使わない水性塗料が目覚ましい進化を遂げています。しかし日本で俗に「ラッカー系」と呼ばれる塗料は、有機溶剤を使うことで高性能な発色、隠蔽力、平滑度、そしてパーツへの確実な食いつきを実現しています。
 ……とはいえ近い将来、日本においても有機溶剤の販売や使用に諸外国と同じく現在よりも厳しい基準が設けられることが予測されています。GSIクレオスはGGXシリーズの基本溶剤をこれに対応可能な成分配合とし、さらに従来のMr.カラーで使われていた溶剤よりも臭気を大きく抑えることに成功しました。

 こう書くと「溶剤が従来よりも弱くなっていて、塗料の性能も落ちているのではないか」と感じる人もいるかもしれません。しかし、溶剤の成分配合に合わせてチューニングされた塗料は従来のMr.カラーと全く異なる設計が可能になり、これまでのラッカー系塗料とほぼ同じ使い心地でありながら塗料としての性能は飛躍的に向上しています。乾燥時間もこれまでのMr.カラーとほぼ変わりません。
 反対に言えば、GGXの塗料は従来のうすめ液と併用できませんし、GGXのうすめ液と従来の塗料の併用は非推奨とされています(GGXと従来の塗料の混色は可能ですが、発色、隠蔽力、平滑度といった性能は混ぜれば混ぜるほど低下します)。

 実際にGGX LG1ホワイトのボトルを開けてみると、塗料そのものがかなりモッタリとしていて、粘度が高く感じられます。これをGGX用のうすめ液で割ると粘性がしっかりと調整され、従来のMr.カラーとほぼ変わらぬ吹き心地で塗装できます。なによりも、吹いたそばからカーンと白くなる隠蔽力にはかなり驚かされます。深いガンメタリックのゴジラに吹き付けても、全体を3周ほど吹き重ねれば文句なしの真っ白になります。
 推奨されている塗料1:薄め液1〜1.25という希釈率は、これまで「平滑な面を得るために薄めの塗料を何度も拭き重ねる」という方法を採ってきたモデラーにとってはかなり濃く感じられるかもしれませんが、塗膜がボッテリと厚くなることもなく、濡れた面をキープするように吹けばクリアーコートなんて必要ないくらい平滑なツヤが出ます。本当に驚いた。

 聞けば、塗料の性能というのは溶剤の性能に大きく左右されるもので、溶剤を新しく設計すると塗料の設計も大きく変えることができるんだとか。モデラーのみなさんがこれまで揃えてきた手持ちの塗料は大きな財産ですが、より高性能で環境や健康への負荷が低い「ラッカー系塗料」の登場は福音でこそあれ、決してバッドニュースではありません。いますぐこれまでの塗料を捨てましょう……と言うにはまだまだ色数も少なく、今後GGXのラインナップがどこまで拡充するかは未知数ですが、あきらかにメリットの大きい新塗料がこれから存在感を増していくことは間違いなさそうです。

 「プラモデルを手早くキレイに作りたい」というのはあらゆるモデラーにとって切実な願望です。これに寄り添い、さらに来たるべき時代の変化に対応し、塗料としての性能も大幅に進化したGGX。いちど使ったら後戻りできないほどの変わりっぷりには驚くこと間違いなし。いまのうちからGGXの使い心地に慣れておけば、新たにラインナップされる色たちともきっと仲良く、ステキなプラモデルライフが送れるはずです。恐れることなく、楽しみましょう。みなさんも、ぜひ!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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