

いいから動作確認だ! 熱波を錯覚するくらい光ります。
……活動期と休眠期を繰り返してきたタカラトミーのゾイドシリーズですが、40周年となる2023年から極大期に入った気配があります。40周年記念キット「40TH ANNIVERSARY ZOIDS」ブランドでアニメシリーズの主人公機を立て続けにリリースしたかと思えば、並み居るライバル機を差し置いていきなりデスザウラー(昭和期のフラッグシップ商品のひとつであり、平成のアニメでは中ボス/ラスボスとして堂々たる存在感を示していた超大型ゾイド)を「ADVANCED Zi」ブランドとして繰り出してきたのです。ブランドの略称と商品の通し番号こそ「ANNIVERSARY ZOIDS」から引き継いでいますが、モチーフの動物により忠実であれ、という要素の強かった前者とは異なり、後者はかつてのキットをそのままゴージャスに作り込んでいくといった趣に見えます。
というわけで、予約開始と同時に押さえておいたAZデスザウラーがやってきました。公式サイトやらパッケージにはタカラトミー創立100周年記念商品であることがうたわれており、だいぶ物騒な名前だけどいいのかな…という気持ちがちょっとあります。

箱を開けると、憔悴しきったようにぐにゃぐにゃになったランナーと、メカメカしい造形をギチギチに詰め込まれた巨大なパーツの群れが視界に飛びこんできます。パーツの表面を縦横無尽に走る謎のシリンダーやパイプといったメカメカしい造形は量感にあふれており、単色成形の中に有無を言わさぬ存在感があります。
だもんでゾイドは素組みで終わらせがちな筆者なのですが、せっかくのデスザウラーです。試作品やそれを用いたと思しきジオラマはイベントなどでさんざん見ています。スミ入れ+αであんなにカッコいいなら、部分塗装ではちゃめちゃにカッコよくなることは明らか。しかも本キットは単3電池2本でリアルに歩行するうえ各所がLEDで光りまくるのです。メカ生体の遺伝子に刻み込まれた闘争本能が解放されます。せっかくだから俺はこの赤のゾイドを選ぶぜ!

ゾイドは(流通上は玩具扱いですが)伝統的にスナップフィットモデルなので、ひととおり組んでから要所をバラして塗装、ということもできます。が、なにしろデスザウラーは巨大(高さも奥行きも30cmくらいあります)かつ入り組んだつくりなので、いちいち解体するには厳しいものがあります。一方で、重量のかかる部分にウェザリングカラーが大量に流れ込んで破損、というリスクも少しは考えておくべきでしょう。できるだけ部品がランナーに付いた状態で部分塗装・ウォッシング、という作戦でデスザウラーの攻略を図ります。

対象年齢15歳以上のADVANCED Ziシリーズですが、とはいえ必ずしもパーツは多くありません。もっとも、ちょっと工程が進むたびに遊びたくなるので、時間はどんどん過ぎていきます。組み立てることそのものが遊びだったよなあ、と25年くらい前の無垢な自分に思いを馳せてみます。
電池を入れてスイッチをONにすれば、あの頃と同じにデスザウラーが手の中で妖しく光り、身じろぎします。光る生き物はそんなに多くない気もしますが、それはさておきなんかヤバめの生命が息づいているようです。

装甲のない「素体」(≒フレーム)の状態で全身を組み上げられるのもAZシリーズの特長です。流麗な装甲の奥に隠された(キャノピー越しにめちゃくちゃ見えていますが)不気味な顔が露わになります。壮絶なLEDの光量の前に、まるっとシルバーを吹いたパーツすら透けますが、それがまた危険な雰囲気で楽しくなってきます。

そんなこんなで遊んでいるうちにできあがりました。パッケージに「恐竜型」とでかでかと書かれているデスザウラーですが、要はゴジラスタイルの怪獣型なので、足元から仰いだ様子がよく似合います。かつてのキットのスタイルをかなり忠実になぞりつつ、ずっと大きくたくましくアレンジされた後ろ足がのしかかるような巨大感に拍車をかけているようです。絡み合った部品から垣間見えるメカメカしい造形が、ちまちま塗り分けた苦労に応えてくれます。

ゾイドワイルドシリーズ以来しばらくぶりの「超大型」ゾイドとなったAZデスザウラーは、ゾイドの──しかも筆者のプラモデル遍歴においてかなり初期に出会った、プリミティブな楽しさを呼び覚ますものでした。ゾイドとはずいぶん長いこと付き合っていますが、この先のAZシリーズ、そして年明けから怒涛のリリースが始まるリアライズモデルシリーズに備えておくべきようです。

(ところでAZデスザウラーの隣にトリケラトプス型の超大型ゾイドであるところのAZマッドサンダーを並べておくとものすごく収まりがいいと思うんですけど、出ますか?出しませんか?出して……)