

ハセガワからVF-1、VF-0に続きYF-19のバトロイドがプラモデルとして発売されるなんて、すごい時代になったもんです。ファイター形態としては2002年に1/72モデル、2008年に1/48モデルが発売されていますが、今回は完全新規金型のバトロイドです。ゆっくりと、しかし確実にメーカーとしてのカラーが変化しているハセガワの現在地を知るためにもぜひ組んでもらいたいプラモデルになっています。

戦闘機からロボットに変形するメカだけど、変形機構を入れるのではなくあくまでもロボット(=バトロイド)になった状態の外観をどストレートに再現しているのがハセガワ製キットの特徴です。「変形時あちこちから移動してきてガチャーンと集合したユニットが一体になっている状態」がそのままパーツになっているので、パーツを眺めながら「これはファイター形態でどこにあった外板なんだっけ?」と考えるのが面白い。外装のベージュは劇中イメージよりだいぶ薄い印象ですが、これは茶色系の色でフィルターをかけるとかなりかっこよくなりそうだと感じました。

メカ色のパーツはちょっと濃いグレーのプラスチックでご用意。メカとしの内部機構というよりも、あくまでプラモデルの外板を支えるためのケタとして機能するパーツになっているのがハセガワのトレンドで、本キットでも板状のパーツのツラがちょうど合うようにピタリパシリと組めるようになっています。このへん、じつは過去のVFよりも近年発売されたクァドラン・ローとかに近い構成になっています。メーカーに歴史あり!

各部の可動はポリパーツによるものですが、ポリパーツをガッチリ保持するためになかなかユニークなパーツ設計が見られます。足首のパーツ(とくにつま先を取り付ける軸)は強度にやや不安がありますので、力任せに組むロボットプラモだと思わず、「キャラクターモデルの格好をしたスケールモデル」だと思って優しく取り扱いましょう。

いいな、と思ったのがガンポッドのグリップを握った状態で右手が一体成型されているパーツ。ガッチリと保持したポーズで飾れるし、何よりグリップと指がきちんと密着した造形になるのがいいよね。もちろんピンポイントバリアパンチ用の右手首に加え、握り、平手が左右共に付属します。

ピンポイントバリアパンチはクリアーグリーンのプラスチック。頭部のゴーグル部分もついでにクリアーグリーンになっています。額などのセンサーはクリアーレッドのプラスチックが奢られており、機体の各部に入る黒いラインを除けばほとんどがプラスチックパーツだけで色分けされた状態と言っていいでしょう。

薄いグレーのパーツはファストパック関連のもの。そう、このキット最初からファストパック装備状態で組めるんですよね。絶対バリエーションキットでやることだと思っていたので、大盤振る舞いにびっくりしました。ちなみに接着不要のスナップフィットモデルではありますが、「完成後に差し替えでファストパックの有無を選択」はちょっと難しいので、組み始めるときにどっちにするか決めておくのがオススメ。というかガッチリした組み上がりを期待するなら要所要所で接着剤を使ったほうがイイです。可動部の剛性感、組んだときのチリの合い方が格段によくなります。

「マーキング及び塗装図」は組み立て説明書とは別紙になっています。フルカラー&実物大のイラストなのでとても見やく、主翼ユニットが左右どっちなのか一瞬悩む……とか膝裏のメカ色パーツがイラストによって違う色になっていたり……という細かい話は置いといて、組み立て説明書には塗装指示が入っていないので、塗装をしながら組もうとすると行ったり来たりになります。塗装して組み上げたい人は自分で「このタイミングで塗装しておかないと後で手が入らなくなるぞ」というのを脳内でシミュレーションしながらパーツごとに塗装工程を考えておく必要があります。

私はとりあえず塗装図から「焼鉄色」で塗る指示になっているパーツだけをピックアップして先に塗装しておき、それ以外はすべてプラスチックの色を活かして組むことにしました。過剰な強度の追求や機構の”表現”に走らず、ひたすらストイックに外形を追いかけ、ポージングのための可動ギミックも抑制の効いた実装となっているハセガワ製バトロイド(おそらくその触り心地が「飛行機のハセガワっぽい」と巷の人たちに言わせるのでしょう……)。他のプラモデルメーカーのどんなロボットプラモとも違う独特な組み味を、みなさんもぜひ感じてください。それじゃまた。