スケールモデルだけでなく、アニメやSF映画に登場するメカまで精力的にプラモを展開する中国の大手メーカー、MENGモデル(モンモデル)。同社は1/35スケール戦車模型のラインナップが充実しているのですが、近年「組みやすさとカッチリとした精密さ」を目指した1/72スケールの戦車模型も発売しています。その第1弾が、以前ご紹介した「中国人民解放軍 ZTQ15式戦車」だったのです。
そしてその1/72スケールに、世界最強戦車「アメリカ軍 主力戦車 M1A2 SEP エイブラムス TUSK II」がラインナップとなりました。間違いなく本シリーズのラインナップで花形となるであろう戦車模型をレビューします。
現用戦車はボリューム・装備共に第二次世界大戦の戦車とは別物です。ガラケーとスマホくらい違います。そのため1/35スケールとなるとかなりのフルコース的ボリュームになります。それらの車両を「1/72スケール」というミニサイズに縮小して楽しもう! という提案がこのモンモデルの1/72スケール現用戦車シリーズなのです。小さくしただけでなく、組みやすさも考慮されています。
小さくなったらパーツも自然と小さくなります。だからパーツの破損や紛失がないように、彫刻や成型のアイディアで、1パーツで収められるものは極力1パーツで成型されています。履帯は何枚か繋がった状態のものが6パーツ入っていて、それをカチカチと嵌めて接着すればすぐに完成します。転輪を指すトーションバーも、シャシーから生えているので1本1本接着する必要はありません。
小さいスケールモデルっていうとディテールはそれなりなんでしょ? って思う方が多いと思います。そんなことはありません! このグリル部分のディテールを見てください。エッチングパーツなんて必要ないと思える細かな彫刻が刻まれています。各ハッチのフックなんかも誇張気味にディテールが施されていて、非常にかっこいいです。
そして組み味です。キットには、パーツに接着剤を塗る糊代と接着のガイドとなる穴などがしっかりと用意されています。そのため各パーツを接着するときに迷いやズレが生じないので、サクサク組んで行けます。
シンプルなエイブラムスが、ガンダムでいうフルアーマー化されたTUSK IIは模型映えも抜群。でもその分、市街戦用強化パッケージとも言われる各種武装を作らねばなりません。なんだか大変そう〜〜って尻込みしてしまいそうですが、このキットのパーツ構成や組みやすさなら問題なし! しかも手のひらサイズに装備モリモリの戦車が爆誕するので、ディテールの凝縮感がより濃い味で脳に届きます。
そして完成するとこのルックスです。僕は2時間ほどで組み上げられました。全部盛りのエイブラムスが、ここまでカチッとしたパーツ成型であっという間に組み上がるなんて、ミニスケール模型界の事件です。価格も輸入キットの中では非常に抑えめともなっています。ぜひこの機会に、世界最強戦車のかっこよさをハイクオリティプラモで楽しんでください!! 今すぐ絶対にゲットだよ!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)