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「ちょっと待ったー!」なボックスアートがコミュニケーションのトリガー/マイクロエース 日野コンテッサ

 「これは『卒業』じゃないか!」と映画好きの知り合いがボックスアートを指していった。車に乗ろうとしている男女。ドアを開けられないように取ってに差し込んだ十字架、ガラス越しの群衆。マイクロエースの1/32 日野コンテッサの話だ。

 その後「でも品川ナンバーなんだね……品川ナンバーの卒業」と何度も繰り返しながら笑っていたので、この絵はパロディとして十分に成立していることがわかり、何だか私も面白くなってしまった。

 映画『卒業』について調べてみると、「ちょっと待ったー!」と言わんばかりに結婚式に乱入する作品じゃんこれ。最後のシーンだけ記憶の片隅に残っている。真っ赤なアルファロメオに主人公の男が乗って結婚式に向かうようで、箱に書かれたイラストの日野コンテッサが真っ赤な理由はそれをイメージしているからだろう。

 中身のプラモデルはというと、真っ白のボディパーツの前後に黒いパーツを取り付けるので、グリルのないつるんとした実車の見た目とは違うプラモデルならではの分割を見られる。こうして、プラモになるために考えられた設計を味わえるのは楽しい。

 ボディの前後が別パーツなので、しっかりと接着されたことを確認してからシャーシをはめ込んだほうがいい。あと、難しそうならシャーシの先端と後端をヤスリで削っておくとはめ込みが楽になる。後輪のホイールにはシャフトに軽く差し込み、流し込み接着剤をつけるとするっと奥まで入る。

 ボディ以外は黒色のプラスチックとライトなどを表現するクリアパーツなので、ボディだけ塗装すればそれっぽい姿になることは間違いない。しかし、このツギハギ感のある姿もいかにもプラモデルという感じがするし、当時の設計者のアイデアがあらわになっている感じがして私は愛おしいと思う。

 完成品を友人知人に見せるのも楽しみの一つだけど、プラモの箱絵を見せるとマイクロエースの1/32 日野コンテッサのように「え、これって!」と思わぬ驚きをあなたに教えてくれる人が現れるかもしれない。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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