映画『キャッチ22』を見て、プラモで作るファンアート/タミヤ B-25ミッチェル

 同名小説が原作の、1970年の映画『キャッチ22』を見ました。第二次世界大戦時、とあるアメリカ空軍爆撃隊の架空のお話。「正気でない者は申告すれば飛行免除となる。ただし、免除を願うものは正気であるから飛行免除には出来ない。」という、軍規22項による冗談のような落とし穴(キャッチ)によって狂気の戦場から脱出することが出来ずに狂っていく主人公。そしてその他ほとんどの登場人物が狂っていく(いる)様子を描いた、ブラックコメディの快作でした。若かりし頃のアートガーファンクルが普通に重要な役で出演していたのにも驚きましたね。

 特に衝撃的だったのが序盤、沢山のB-25爆撃機がバカスカ出撃して行くわ、派手にぶち壊されるわの、迫力満点の映像。中でも基地に帰投するなりゴオゴオと燃えるB-25のシーンは狂気そのもの。爆発音まで鳴り響く非常事態が数メートル背後で起きているのにも関わらず、一瞥もせず鶏卵ビジネスの話に夢中になる将校と部下のシーンはいろんな意味で痺れました。

 さて、そんなB-25のプラモデルが、1/700のウォーターラインシリーズ(艦船模型と組み合わせる事を想定したプラモ)として発売されている事を知って買ってきました。小さいです。安いです。16機も入ってます。

 飛行するのに超重要なプロペラが省略されているのがとても面白いです。しかし、ちゃんとB-25に見えるのです。尾翼はしっかり薄いし、パネルラインも凸モールドでくっきり見えて、どこからどう見ても爆撃機。長編小説をたった2時間の映画に落とし込むような、取捨選択の巧さを感じます。

 ニッパーで切り離すだけで完成してしまうのも快感です。恐ろしい兵器という印象もありますが、こうしてチマチマと転がっている様子を見ると、滑稽さを感じることも出来ます。そう、人間はこんな兵器を開発出来るほど賢く、そして滑稽。
 そんなチマチマしたB-25を16機、手のひらでジャラジャラ転がしてみます。すると何だか映画「キャッチ22」のワンシーンのような、シュールな風景が脳内に浮かび上がって来ます。それを作ります。

▲タイトル「鳥の巣」

 インターネットでフリーのステンシルフォントを拾ってきて「CATCH-22」の文字をハイキューパーツの自作デカール用紙に印刷し、本物の卵の殻に貼り付けました。右のフィギュアはマスターボックスのエースパイロットセットから拝借したものです。

 B-25には申し訳ないのですが、狂気の卵を育てる「鳥の巣」になって貰ったのでした。これが私の、キャッチ22へ捧げる「プラモデル・ファンアート」です。

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ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。