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優柔不断とプラモデルの幸せな関係/amt ’63 コルベット コンバーチブル

 このキットはいきなりエンジン4種から選んで作れと問うてくる。英語で書かれた呪文のような名前が立て続けに現れる。ひとまずエンジンの種類について調べてみる。
一番出力の小さいエンジンが「STOCK 327」、その強化版が「FUEL INJECTION」。エンジン自体を改良し、さらに馬力を上げた「BIG BLOCK 427 CU. IN.」とその強化版が「SUPERCHARGER」といった感じだろうか。最初に3匹から相棒を選ぶポケモンよりも選択肢が多く難易度が高い。優柔不断がゆえに開幕早々唸ってしまう。先に進むための決断を迫られているようだった。

 エンジンの組み立てを先送りにして他の部位を観察してみる。座席が一体になった内装はダッシュボードとハンドルとシフトレバーを取り付けるだけだ。なんだか簡単そう。

 エグゾーストパイプが一体になったシャシーも組立説明書によれば10個にも満たないパーツを取り付ければ完成する。塗り分けにこだわらなければ黒一色で仕上げると楽かも。

 ホイールは金属シャフトを突き刺して接続するのでホイールとタイヤは気分によって履き替えたらよさそう。ここは接着剤を使わない強みである。車体だけなら悩まずに完成できそうな気がしてきた。

 だがしかし、エンジンフード(ボンネット)が3種類もある。どうやら搭載するエンジンによって使い分けるみたいだ。大きく開いた穴は大型化したエンジンの一部を露出させるために設けられたものだろう。
車にとっての心臓部をむき出しにしている様子が勇ましいと思った。大胆かつ合理的な解決策が気に入った。内部のメカがチラリと見えるのが嬉しいという理由もあって「SUPERCHARGER」仕様のエンジンを組み立ててみようと手を動かした。

 難しいと感じたのは、シャシーにボディを取り付ける際に自分で接着する箇所を見つけて微調整する必要があるところ。それとエンジンをシャシーに載せる工程が組立説明書に一言添えられているだけで図が省かれている。どのエンジンがどの完成形に対応しているのか読み解くには予備知識が必要だ。
エンジンの取り付けに苦戦したので穴の開いていないエンジンフードを接着せずに乗せ、車とエンジンを同時にディスプレイしてみた。
そうか、このプラモデルはエンジンを省略すれば速攻で車が完成するのだ!

ねこやなぎ

1990年生まれの会社員。休日はプラモデルとイラスト制作に明け暮れる。

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