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胸と脚の微妙な差は組んだ人だけが知っている/『シャニマス』のデコルテを選ぶプラモデル

 「全部同じじゃないですか!」という声が聞こえてきそうだが、首周りから胸元にかけてのパーツが3つ並んでいる。鎖骨の突起からパーツ下端にかけての曲面をよく見てほしい。それぞれボリュームが異なる。いわゆるデコルテと呼ばれるこのゾーンを3つ用意したので、お好みのキャラクターに合わせて(あるいは自分なりにカスタマイズするときのオプションとして)造形を選ぶべし、というのがこのプラモデル最大の特色だ。

 『アイドルマスター シャイニーカラーズ』に登場するビヨンドザブルースカイという衣装を立体化したこのプラモ、なんと頭部は入っていない。「”頭部だけ”を売っているのでそれを買ってきて組み合わせてくれ」という組み換えロボット遊びみたいな仕様になっていて、一応推奨されるキャラクターと胸部の造形の組み合わせが説明書に記載されている。キャラクターの設定に忠実に組むもよし、ユーザーの願望を好きに投影してよし。なるほど、これは確かに同社の30MMシリーズでロボットに自分の好きな武器を盛って架空の戦闘に出撃させるのに似ている。

 組んだあとからでも組み替えられるよう腹よりも上の部分はちゃんと3セット用意されていて、胸のカーブに合わせてフリルや襟の金フチ部分もそれぞれに合った設計になっている。ぶら下がる2本のゴールドの紐は全部同じ造形なのだが、おそらく組み換え時に折損してしまう可能性が考慮されており、わざわざ3セット入っている。”こんなこと”にだいぶ手間と金がかかっているのがイイ。

 胸だけでなく、太もも上部も長さ違いのものが2セット用意されている。どちらかを選ぶことで身長差を表現できる。向かって左が長い太もも、向かって右が短い太もも。内部に入るフレームはそれぞれに合わせたものが入っているが、股関節のジョイントは1セットしか入っていないので完成後に組み替えるのは難しい。すげ替えたい頭部の数だけボディを用意したほうが良さそうだ。

 組み上がってみると、じつはノーマル状態(櫻木真乃に付属するもの)と劇的な差があるわけではない。しかし組んだ人はどのデコルテを選び、どの脚を選んだのかを知っている。同じコスチュームを着ていながら、そこに「中の人」による微妙な違いがある……というのは、規格品であるメカのプラモデルと違って、ファジーだが唯一無二の肉体の存在を感じさせるステキな演出だ。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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