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プラモデルのアプローチに風野灯織と八宮めぐるの「らしさ」の在り処を知る話。

 これは風野灯織と八宮めぐるの「頭のプラモデル」である。正しくは髪の毛と顔面はバンダイスピリッツの30MSシリーズと呼ばれる美少女プラモデルにおいて互換性があり、髪の毛(ヘアスタイルパーツ)と顔面(フェイスパーツ)がパーツになったもの。

 そのなかでも本当に素晴らしいと思ったのが頭部の中核をなす「FS-B5 8」のパーツだ。顔面のパーツと髪の毛のパーツ、そして首のユニットを受け止めるという意味ではロボットモデルの内部フレームのような機能を果たしているが、左右に突き出た耳の造形は出色の出来。『アイドルマスター シャイニーカラーズ』のイラストに見られるアニメ調の整理された線で描かれた耳よりもかなり写実的で、フィギュアに実在感を与えている。

 風野灯織(「かざのひおり」と読む)のフェイスパーツは口の下に小さなホクロ。直径は0.3mm程度しかなく、これをもうひとつの表情を再現したパーツにも印象が変わらないよう同じ大きさ、同じ位置で入れているのがニクい。

 毛束がこまかく分かれた黒髪で、ハーフアップで後ろ髪を高い位置に結んでいるのが彼女のスタイル。結んだ後ろ髪が少し揺れた状態でポージングできるように可動ギミックも入っており、じつに髪の毛だけで14パーツを費やしている。

 八宮めぐるは日本人の父とアメリカ人の母を持つらしく、快活な性格は表情にも現れているし、二つ結びの金髪を自在に動かせるよう左右それぞれに3軸の関節を仕込んでいる。それよりも驚いたのはまとめきらなかった髪が耳の後ろから肩の前側に流れる様子を再現したパーツだ。

 基部にボールジョイントが仕込まれ、後頭部の髪の毛の内部でこれを保持することで自然な髪の流れとポーズに応じてわずかに追従するようになっている。「プラモデルにしやすいキャラクターデザイン」ではなく、突如プラモデル化の機会に恵まれたシャニマスのひとりひとりに可能な限り寄り添い、そのキャラクターの「らしさ」をうまく捉えて違うアプローチで表現しているのが組んでいておもしろい。

 本製品、首から下の胴体はパッケージに入っておらず、例えば同じ30MS アイドルマスター シャイニーカラーズシリーズの別キャラクターないし「オプションボディパーツ」と呼ばれる「頭部以外だけのプラモデル」と組み合わせることで初めて完全体となる。戦闘機のプラモデルで言えばミサイル、自動車のプラモデルで言えばホイールだけが商品化されているように、美少女の頭部だけを買ってきて、どんなボディと組み合わせるかを楽しむ時代が来ているのだ。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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