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圧倒的解像度の中身で魅せるプラモデル/造形村のビッグスケールな震電の話。

 パーツをビタビタビタっと貼るだけでエンジンがズドーンと眼の前に現れて大興奮。造形村が2010年に発売したSWS(スーパーウイングシリーズ)最初のアイテム、1/32スケール震電です。いまもっともナウい戦闘機の、世界で唯一のデッカいスケールモデルです。「緑色の飛行機に日の丸が付いていたら零戦でしょ〜」くらいの解像度で戦闘機を眺めている人でも、主翼とプロペラが後ろにある震電の特徴的なフォルムを見たら絶対に識別できます(断言)。ただデッカイだけじゃなく、中身も完璧のペキに再現されているのがこのプラモデルのすんごいところです。

SWS 1/32 J7W1 帝国海軍局地戦闘機 震電 | ボークス公式 ホビー天国オンラインストア

 内部フレームを組んでから外装を貼り付けていく設計で、胴体は先端から後端までびっちりと「具」が入ります。試作機ゆえに資料の乏しい震電ですが、スミソニアンの航空宇宙博物館に保存されている実機の写真を見るとコクピットの詳細な部分までかなり忠実に再現されていることがわかります。その執拗さは「後にも先にもこの震電が絶対にいちばん詳しい立体資料っす!」と断言できるほど。

 前方にミチミチに搭載された4丁の機銃、立体感溢れるコクピット、その直後に鎮座する巨大なエンジンと、プロペラに繋がる延長軸。空前絶後の「前後逆」なレイアウトでこの飛行機がどうやって空気を取り入れ、エネルギーを発生し、あれやこれやを冷やしていたのかがまさに手に取るように分かります。パーツ数は252とかなり多いのですが、ひとつひとつが大きく機能も明確に見えるため、不思議と工作がサクサク進みます。

 グレーのプラスチックで構成される外板以外はシルバーと黒のプラスチックの組み合わせなので、塗装せずともかなり実感のある佇まいになるのがステキ。さらに細部を塗装していけば情報量はぐんぐん増えるでしょうが、このとおり、ただ貼っていくだけでも大満足の仕上がりになります。このまま完成宣言してもいいくらいの造形美に対して、ひとつ問題があるとすれば「飛行機として完成させるために外板を取り付けていくとそのほとんどが見えなくなってしまう」ということです。

 いいんですよ。もちろんいいんです。「見えなくなるところまで作り込んで、組んだ人だけがそれを知っている」という美徳もまた、プラモデルの魅力です。しかしせっかく組んだ中身ですから、完成しても眺めたいし、人に見せたいと思うのも人情でしょう。この震電は標準的な飛行機プラモよりも外板をこまかく分割しているため、好みの外板だけを貼ってそれ以外は中身を見せる……という往年の内部図解イラストのような仕上がりを選択できます。

 今回は「絶対にこの内部構造を見せたほうがこのプラモデルの特徴がアピールできるな」と思ったため、機体の左側をなるべく外板で覆い、右側は内部が露出した状態で組み上げました。設計自体はかなり緻密なのですが、外板同士のパーツをキレイに繋がった状態で貼るのはけっこう難しいと感じます。説明書どおりに組みたい人は可能な限り仮組みをしましょう(パーツ同士の位置関係を事前に確かめて干渉する部分を削ったり、優先的に合わせたい箇所から部分的に貼り進めていくなど、慎重な工作が必要です)。

 まるでホンモノの極秘資料のような風合いで印刷された説明書に、マルチカラーのプラスチックパーツ。大きさから来る全体のシャープさと完成時のボリュームはまさにフラッグシップモデルと言える内容です。この出来で税別7800円という価格も特筆モノですから、震電の秘術を解き明かしたい人は絶対に入手しましょう。ある程度プラモデルを組んだ経験があったほうが取り組みやすいアイテムだと感じましたが、世界にひとつしかない震電のこれ以上ない精密模型であることは、間違いありません。

SWS 1/32 J7W1 帝国海軍局地戦闘機 震電 | ボークス公式 ホビー天国オンラインストア


 なお、今回紹介した1/32震電に対応するレジン製アフターパーツ「出撃準備セット」が12月23日(土)に全国のボークス店舗、ホビー天国オンラインストアで発売決定!
■3520円(税込)、内容物:パイロットフィギュア×1、整備兵フィギュア×1、梯子×1、車輪止め×4。
 フィギュアと小道具で「出撃前の場面」を再現できます!!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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