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組み立ての技は目で盗む!/ハードコアな寿司屋のプラモデルに挑む話。

 衝撃の出会いを果たした寿司屋のプラモ。今日は中身を見てみるとパッケージでも大きくアピールされていた「柳」のパーツ。確かに手作り感に溢れている。これは間違いなく成形品ではなく一品物だし、ロットごとに仕上がりが違いそうですごいな。

 柳の木をプラモデルのパーツとして構築しよう、と思ったら結構大変そうなのはわかる。接着や組み立ても大変そうだし。でもそこで「じゃあ柳の木をつけるのはやめよう」となるのではなく、手作り樹木パーツを作ってでもこのキットには柳の木が必要なんだと企画した人は思ったのだ、と思うとけっこうすごいことな気がするな。

 プラモデルではあんまり見ないパーツがほかにも豊富に付属! 「これもしかしてリアル小石?」な小石! 地面を再現するためのカラーパウダー!のれんや看板を再現するための印刷物は「シール」と言い張っているのですが、触ってみる限りはどう解釈してもただの紙です。ナイトガンダムのマントと同じ方式です。

 成形品たちは意外なほど木目のモールドがいい感じで感心する。上の写真の格子窓? ふすま? のパーツがいい感じでこれはどこに使うんだろうと説明書を見てみたら、使わないパーツでした。そんな……。

 寿司屋のプラモなので当然寿司桶や湯呑も射出成形されている。かわいいね。なんでもランナーにくっついてたらかわいく見える可能性あるな。左下のお花みたいなパーツはなんなんだと思ったらしょうゆ皿でした。

 そしてぼんやりランナーを眺めていると突然現れるぬるっとした羊羮状の物体!「なんだこれは」「ミサイルポッドの蓋?」「屋根につけるなんらかの機能を持つ飾り?」とか思いつつグルグル回していてうっすらと芽生えてくる「まさか」という感情。果たして説明書を確かめてみるとやはり寿司でした。これが!? すっ、寿司!?  1/60スケール寿司!! あまりにもただの四角い形状で再現されたそのフォルムにしばし呆然。

 「すしの感じに着色してください」という衝撃的な組み立て指示を君は見たか。いま頭のなかでドラえもんが「きがるに言ってくれるなあ。」と歯を食いしばっています。でも、逆に言えば自分自身のセンスや好みで好きな寿司を好きに配置できるという寿司ファン垂涎のプラモであるとも言えましょう。寿司プラは自由なんだ。これが例えば「トロ寿司のパーツです」みたいな感じでスジボリが彫られていて、サシを再現するためにホワイトでスミ入れしなければならないとしたらどうでしょう? いやそれおもしろそうじゃねえか。やらせてくれよ!

 とりあえず説明書の最初の工程だけでも作ってみるかと紙シール(というか紙)とパーツを切り出してみたんですがあれ? よく考えたらさあ……あれ?木の部分とか適当にウェザリングカラーとか最後にビャーと塗ろうとか思ってたんだけどそんなことしたら紙シールがグシュグシュになっちゃうからできないじゃん。

 仕方がないから塗りながら作ることにしました。思ってたよりプラモっぽいことを要求されている! プラモだからな。塗り分け指示はかなり大雑把ですが頑張る。完成見本見ると木目じゃないところは漆喰っぽいので白く塗る。普通にプラモ作る羽目になってるっっっ! もっとこう……ぺたぺた貼ってふーん、ワーイって感じにしようと思ったのになあ。お寿司だけ塗ってさ。でもよく考えたら寿司だけ塗っててもしょうもなかったのかもしれない。運命かもしれない。

▲紙シールはのりで貼った。こののり、プラモの仮組みとかにも使えるので便利です。

 全体的にガイドとかいう文化がなく、「この辺に貼れ!」ばかり書いてある説明書に困惑。技は教わるのではなく目で盗めってことですか親方!? ……そんなわけで次回こそ寿司を塗装し、組み立てて寿司屋になりたいと思います。それまで美味しくてためになるお寿司マンガであるところの『スシシスターハンター』を読みながらお待ち下さい。毎度あり。

寿司で戦うマンガ『スシシスターハンター』ジャンプ+で掲載中! 全20話! 江戸前寿司ができた本当の歴史もわかる!

マシーナリーとも子のプロフィール

マシーナリーとも子

殺人サイボーグVTuber。池袋晶葉ちゃんを世に広めることと人類を滅亡させることを目標に日々動画投稿やコラム執筆などを手がける。お仕事募集中。

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