みんなで作る模型サイト nippperはあなたの投稿をお待ちしています!
詳しくはコチラ!

そのパワー、1000馬力!? 最強ターボエンジンRA167Eを組み立てろ!/BEEMAXのロータス 99T 1987 モナコGP ウィナー

 ビーマックス/プラッツの1/12ロータス99Tは、ビッグキットらしい大きなパーツや多くの金属マテリアル、楽しいパッケージングでワクワクさせてくれる内容でした(下のリンクの記事も読んでね)。さて、もうちょっとパーツを見ていきましょう。このパーツはエンジン下部とギアトレーンを合体させることで、車体後部の剛性とアライメントに貢献します。

 ぶわーっと小さなパーツをまとめたランナーもあります。このころのF1に詳しい人なら、これはどこのパーツか、というのがわかり、初体験の人はドキドキワクワクの連続だと思います。

 このぐるぐるのパーツがターボチャージャーのキモです。排気でタービンを回して、吸気側の空気を圧縮します。圧縮された空気を燃焼することで、より出力が上がるという仕組み(超ざっくり)です。現在のF1ではこの回転軸のところにMGU-Hとよばれるモーターを組み込んでエネルギー回生をしていますね。進化!

 銀色のランナーはコネクター系やシートベルトの金具など。1/12でどこでも何度も使えそうな汎用性のあるランナーですね。

 いよいよ組み立て、その前に。組み立てるときは細かいネジなど金属パーツを使うのですが、こちらにメモをしておきましょう。組み立て前に説明書もよく読んで、どこでどう使われるかを確認して、メモします。

 穴を開けたりパーツを貼ったりしつつ、すすみます。右のエンジン内部に丸い部分があって、シリンダーがイメージされます。1.5リッターV6ターボなので、1気筒あたり250ccのサイズ。レッドブルのふつうの缶ぐらいのシリンダーが入っているわけですね。もうこの段階でちょっと盛り上がっている自分がいます。

 サスペンションアームなどの受けは強度を確保するために金属をインサートします。これもネジで本体に留めていきます。付属のドライバーが偉いのは、パーツのあいだや金属プレートのせまい幅に合わせて先端が細いところです。

 四角い断面系のアームがウィッシュボーン、手前の細い軸はプルロッドサスペンションの軸、そして太い軸はエンジンからの動力をタイヤまで伝えるドライブシャフトです。こういうサスペンションなどの役割が組みながらだとよくわかります。

 これです、これがRA167Eです!! 予選で1000馬力を超えているという、伝説のエンジン。本来はアンダートレイと組み合わせながら完成させるのですが、この姿が見たくてちょっと頑張ってみました。黄色いダクトから空気を取り入れて、タービンで圧縮、前側のラジエターに送り出し冷却、のちにエンジンの上に回して、燃料を噴射し、エンジン内部に吸気。圧縮、爆発、排気された空気はエンジンの横から這い出て、タービンを回します。その後後部に排出されていく……この一連の流れがパーツとして繋がっていく、これがたまらないわけです。

 このぽんと突き出たパーツが”ポップオフバルブ”というターボを規制するべく取り付けられたパーツです。空気を一定以上圧縮させないために圧を逃がす構造になっていて、この年は4バール(0.4Mpa)にまで制限されていました。ところがこのポップオフバルブが何かとばらつきのあるパーツらしく、ハズレを引くとえらい目に合ったとか。ターボエンジンのファン(タービンではなく人)からするとにっくきパーツですね。

 でかい。まだまだケーブルをつけるところがあって、配線のしがいがあるサイズです。アップデートパーツまで使うと、相当配線だらけになり、さらに解像度が上がります。

 3本出た管は、手前の2本が排気管で、奥の一本がウエストゲートの排気管になります。排気管から出てくる空気を抜いて、タービンに圧がかかりすぎないようにしています。つまり3本とも排気を通すのですが、ちょっとだけ役割が違うんですね。

 F1プラモデルの醍醐味であるエンジン部分。ここを組むだけでも楽しく、ヤマ場がいっぱいあります。こうやってアンダートレイの上に載せて、ぐるぐる眺めるだけでも楽しい。これが1000馬力出して、540kgのマシンを走らせるんですよ……。まさにF1テクノロジーの詰まった、そして当時のターボエンジンとして行き着いてしまった最強ホンダのエンジン。これを1/12の大迫力で味わうのはまた格別なのです!

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

関連記事