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プラモデルを組み立てながら設計者の背中を追いかける/「ファインモールド製F-2Bの3D-CAD仕立て」

 プラモデルが設計されて完成するまでのプロセスは長くて複雑だ。設計のことには詳しくないが、聞きかじった知識や公開されている情報からその様子を想像するに大変な仕事なのだろう。

 今日のプラモデル開発は3D-CADソフトを用いることが主流で、金型の都合やユーザーが組み立てる工程から逆算してパーツを一つひとつ3Dモデルで作成し、パーツの集合体であるアセンブリモデルを作成する。そしてアセンブリされた状態の画像が模型誌や広報用のSNSに公開されてユーザーの目に留まるという仕組み。3Dモデルの画像を公開する際、ユーザーに完成状態が想像しやすいように製品化するときと似た色が着色されている。メーカーは情報に誤解が生じないように気を配っているはずだ。

 しかし開発中の3Dモデルにはピンクやイエロー、グリーン、ブルーなどのカラフルな色でパーツを塗り分けていると想像している。アセンブリされた状態ではパーツ毎の形状が把握しづらいため成形色を無視したカラーリングで認識力を補い開発をスマートに行なっているのではないだろうか。

 おそらくユーザーに開発中の画像が提供される直前まではカラフルに色分けされた3Dモデルが存在している。色分けのルールはメーカーや部署、設計者個人の意向で変わると思うので今回はランナー毎に色を分けてみる。使用する色は赤、黄、橙、青、緑、紫。これらの色を原色、淡色、暗色で使い分けると色の判別がしやすい。

  いざ組み立て始めると、なぜコクピット周りのパーツを同じランナーに集約しないのだろう?きっと何か意図があるはずだ、と少し手を止めては憶測の域を出ない答えが増えていく。そんな脳内とは裏腹に、理路整然と組み上がっていくプラモデルを見ていると、つくづく不思議な遊びをやってるなと思う。

 そして完成した戦闘機を眺めると、どのパーツがどのランナーと一体になっていたのか、パーツが分割されている箇所はどこなのか、組み立て後には分からなくなる情報が現在に留まっている。
実機ではあり得ない外観だがプラモデルとは何かの状態を模している物体なので「設計段階の模型」の模型としてはとても良い出来になった。

ねこやなぎ

1990年生まれの会社員。休日はプラモデルとイラスト制作に明け暮れる。

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