まるでアンティークショップで売っているミニチュア雑貨のような佇まいだった。リアルを目指した模型ではなく、手のひらに収まった時、お部屋にポンと置いた時になんとも言えない満足感を味わえる……そんな車模型と出会えた。
それは「エレール 1/43 ルノー 4CV」。1957年に誕生したフランスの模型メーカー・エレールが発売したプラモデルだ。今年から静岡の模型メーカー・プラッツが取り扱うことが決まり、2023年10月以降から順次模型店にエレールのアイテムが並ぶそうだ。
この車は第二次世界大戦後のフランスで初のミリオンセラーとなり、フランスの大衆車として愛された車だ。実際に模型で触れてみると、シンプルに可愛くてお部屋に飾りたいなと思わせてくれる。また、このキットのシンプルさや佇まいは、なんの躊躇もなく「そのまま組んで、ポンと部屋に置いて」ミニチュア雑貨的に楽しむ優しさを、僕達に与えてくれる。
模型店には精密を目指したもの、かっこいいロボット、人のプラモなどさまざまなモチーフがプラスチックになって販売されている。その同じ場所には、この「エレール ルノー 4CV」のような、雑貨的佇まいを持った模型もいる。模型にはいろんな味がある。煌めく新商品だけでなく、こんな模型たちも同じ棚にいると思って模型店の棚を見てみると、いつもと違った楽しみができるのだ。
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)