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箱の中にあったのはミニチュア雑貨的優しさ。「エレール 1/43 ルノー 4CV」

 まるでアンティークショップで売っているミニチュア雑貨のような佇まいだった。リアルを目指した模型ではなく、手のひらに収まった時、お部屋にポンと置いた時になんとも言えない満足感を味わえる……そんな車模型と出会えた。

▲ブラインド越しの優しい光がとても似合う。丸くて可愛いフォルムは、一度握れば心をワクワクさせてくれる

 それは「エレール 1/43 ルノー 4CV」。1957年に誕生したフランスの模型メーカー・エレールが発売したプラモデルだ。今年から静岡の模型メーカー・プラッツが取り扱うことが決まり、2023年10月以降から順次模型店にエレールのアイテムが並ぶそうだ。

▲「これだけのパーツがあれば車の形になる」という最低限の要素しかない
▲説明書もシンプル。ざらっとした紙の質感もまた良いのだ

 この車は第二次世界大戦後のフランスで初のミリオンセラーとなり、フランスの大衆車として愛された車だ。実際に模型で触れてみると、シンプルに可愛くてお部屋に飾りたいなと思わせてくれる。また、このキットのシンプルさや佇まいは、なんの躊躇もなく「そのまま組んで、ポンと部屋に置いて」ミニチュア雑貨的に楽しむ優しさを、僕達に与えてくれる。

▲基本的なパーツ構成は、いたって普通の車模型。極限までシンプル。窓のクリアーパーツなども付属する。個人的には、無い方がアンティークミニチュア雑貨ぽくて良いなと思い、取り付けていない

 模型店には精密を目指したもの、かっこいいロボット、人のプラモなどさまざまなモチーフがプラスチックになって販売されている。その同じ場所には、この「エレール ルノー 4CV」のような、雑貨的佇まいを持った模型もいる。模型にはいろんな味がある。煌めく新商品だけでなく、こんな模型たちも同じ棚にいると思って模型店の棚を見てみると、いつもと違った楽しみができるのだ。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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